アル・ゴサイビ・グループとアル・サアド・グループ向け債権対策か貸倒引当金を大幅に積みましたサウジアラビアの銀行
(2009年10月27日掲載)

 サウジアラビアの5銀行の2009年当初9ヶ月の貸倒引当金は、アル・ゴサイビ・グループとアル・サアド・グループ向け債権対策のためか前年同期比183%増と大幅に増加した。詳細は依然不明であるものの、両グループの銀行債務は220億ドル(1兆9800億円)と推定されている。

 サウジ政府の委員会がサアド・グループとサウジアラビアの銀行を仲介する形でリスケジュール案をまとめたが、関係者は現時点でもその内容を一切明らかにしていない。ムハンマド・アル・ジャシールサウジ通貨庁(SAMA)総裁は、2009年10月下旬、サウジアラビアの銀行は不良債権に対して十分な貸倒引当金を持つことを自ら示すであろうと発言していた。

 しかし、サウジアラビアの銀行がアル・ゴサイビ・グループとアル・サアド・グループ向け債権額を公開していないことから、アナリスト達は果たして新たに積み増された貸倒引当金が予想される損失を十分カバーできるものなのか否か確信できないでいる。例えば、KSBキャピタルのイブラヒム・アル・アルワン副最高経営責任者は「我々はサウジ銀行が2グループ向けにどれだけの債権を持っているのか知らない。債権額が分からなければ、貸倒引当金が十分であるのか否かを言うことは難しい」(ガルフ・タイムズ紙 2009年10月24日)と述べ、サウジアラビアの銀行の対応を批判する。但し、格付け機関のスタンダード&プアーズは、アル・ゴサイビ・グループとアル・サアド・グループ向け債権に関して、同社が格付けを行っている約30の商業銀行の債権額に占めるサウジアラビア及びUAE銀行の債権額の比率はほぼ三分の二と言っている。

 HSBCのサウジアラビアにおける子会社であるSABBは、2009年第3四半期に不良債権向けの貸倒引当金として3億5150万リヤル(約9370万ドル、約84億3000万円)を計上した。これにより同行の貸倒引当金は7億8220万リヤル(約2億890万ドル、約188億円)に達した。またリヤド銀行は2009年第3四半期に不良債権向けの貸倒引当金として6億180万リヤル(約1億6070万ドル、約144億6200万円)を計上した。同様に、サウジ第二の銀行Sambaファイナンシャル・グループは同期に3億7720万リヤル(1億72万ドル、約90億6500万円)を、バンク・サイジ・フランセは2億2350万リヤル(約5970万ドル、約53億7100万円)を、アルジャジーラ銀行は1億1570万リヤル(約3090万ドル、約27億8000万円)を、サウジ投資銀行(SAIB)は6000万リヤル(約1600万ドル、約14億4200万円)を、それぞれ貸倒引当金として計上している。邦貨にして、これら7行だけで603億5000万円に達する。

(10月25日、記)
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(幹事 畑中美樹<はたなか・よしき>)