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| (2009年10月14日掲載) |
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2009年10月6日付の英国インディペンデント紙が、GCC主要国とロシア、中国、日本、フランスが米ドル建ての石油取引からの離脱を密かに協議中と報じたことが波紋を呼んでいる。米ドル価値の急落を防止する意味もあってか、サウジアラビアなどのGCC主要国は直ちに同報道内容を否定している。しかし、湾岸の一部の専門家の一部も消息筋からこうした協議のあったことを確認したとしており、この話題は当面くすぶり続けることになりそうだ。 国際金融界・石油業界で大きく注目されることとなった中東特派員のロバート・フィスク記者の署名入りのインディペンデント紙の記事の主要点は次のようなものであった。因みに、同記者は、GCCの消息筋及び香港の中国系銀行筋から得た話としている。
ある中国系銀行筋は「こうした計画は国際金融取引のあり方を変えるだろう」「米英は真剣に懸念していよう」「このニュースが生み出した雷のような相次ぐ否定発言は、彼らが如何に懸念しているのかを示している」(インディペンデント紙 2009年10月6日)と述べ、協議が行われていたのは事実であることを示唆した。 但し、サウジアラビアをはじめとするGCC諸国の政府高官は、本音がどこにあるのかは別にして、このニュースが伝わるや一斉に内容を否定する発言を繰り返している。例えば、サウジアラビアのムハンマド・アル・ジャーセル通貨庁(SAMA)総裁は2009年10月6日、「報道は完全に不正確である」「サウジアラビアがそうした協議に参加していることは全くない」「わが国は米ドルに感情的、政治的に拘泥するものではないが、現下のところ米ドル建てでの石油取引はわが国の国益に資している」と語り、完全否定の姿勢を貫いた。 同様に、ムスタファ・アル・シャマリ・クウェイト財務相も2009年10月8日、「石油取引の米ドル建ての離脱は考えていない」「そうしたことを報じた新聞もあるが、そのような事実はない」「当面、米ドル建てでの石油取引は続く」と述べ、報道内容を否定した。さらにUAE中央銀行筋も2009年10月6日の時点で、「石油取引は米ドル建てで行われ続ける」「長きに亘り石油取引は米ドル建てで行われてきたので、産油国にとって変更は困難である」と発言し、やはり報道を否定した。 他方、2年前からアジアの購入者に対して米ドル以外での石油取引の決済を要請してきたイランのホセイニ経済財務相は、2009年10月6日、「わが国は過去に複数国と米ドル以外での石油取引を協議した」「一部諸国は現時点でもこの考えを受け入れているが、実施に移すには一層の協議が必要であるし数多くの合意を得ねばならない」と語り、既に構想としては存在しているのだが、実現までの道のりは長いとの見方を示した。 報道で名指しされた日本、ロシアについても、日本の場合には藤井財務相が記者会見で、「そうしたことは何ら知らない」と否定したほか、ロシアもデミトリー・パンキン副財務相が「ロシア財務省はそうした協議に参加していない」と語り、やはり報道内容を否定している。 但し、インディペンデント紙以外でも、「GCC諸国からのリーク報道によれば、サウジアラビア、ロシア、中国、日本を含む諸国が過去数ヶ月の間に一連の秘密の協議を行ってきた」(http://www.atimes.com/atimes/Middle_East/KJ09Ak01.html)との見方を掲載するところも出てきている。F.ウィリアム.イングダフル氏の署名入りの同サイトの分析は、同時に、GCC主要国は心の中では米国の諸政策が自分たちに反すると見ていると指摘している。その上で、独仏がこの構想にどのように反応するかが大きいと見ている。 インデペンディント紙の報道が大きな反応を生んでいるあたりに、世界の基軸通貨としての米ドルの価値の長期的な低下は不可避であることが示されているといえそうだ。 |
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| (10月10日、記) |
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| <関連情報> ●国際通貨基金(IMF)改革で新興国の投票権の拡大には賛成だが自国の比率の削減には断固反対するサウジアラビア【9/8】 ●協調姿勢を示すことを優先したワシントンで開催の第一回米中戦略・経済対話【7/31】 ●サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)の訪問で対米投資の継続や米ドル連動性の維持を求めたガイトナー米財務長官【7/28】 ●英国・GCC・フランスを訪問し対米投資問題や原油価格水準・世界経済危機などへの対応を協議するガイトナー米財務長官【7/14】 ●基軸通貨としての米ドルに関するBRICs・国際機関・先進国の最近の発言【7/10】 |
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| (幹事 畑中 美樹<はたなか・よしき>) |