経済の先行きに自信を持ち始めた湾岸協力会議(GCC)諸国の最高財務責任者(CFO):ドバイ発
(2009年11月17日掲載)

 経済の回復の兆候が顕著となってきたことから、湾岸協力会議(GCC)諸国の最高財務責任者(CFO)は先行きに自信を持ち始めている。デロイテ(Deloitte)の実施した最高財務責任者(CFO)を対象とする調査によれば、大半が2009年第2四半期に比べて経済の見通しを楽観視している。具体的には、今から3か月前と比較して62%ものCFOが経済の先行きを楽観的に見ていることが判明した。以下では、同調査結果の要点に絞って紹介することとしたい。


CFOの69%が、2010年上半期には、各社の製品・サービスに対する需要が増加すると見ている。
CFOは過去約1年の景気後退期に各国政府が民間部門の要請に応えるべく政策を展開してきたと見ており、特に信用市場への先例を見ない資本・流動性の注入が行われたと考えている。
こうした政策が功を奏して2010年の中東のGDP成長率は他地域の2倍以上になると見ている。
大半のCFOは各国政府がさらに民間部門を支援する力を持っているが、現時点ではさらなる追加的刺激策は必要ないと考えている。
景気後退に対応するために大部分のCFOが費用削減を行い、また将来の成長に備えた効率的組織とするために投資を先送りしてきた。
中東の景気後退が明白になった時点でCFOは費用削減を第一優先順位に置いた。CFOの89%が不要と思われる出張費、ホテル代、娯楽費、研修費などを削減したか、或いは削減を計画している。
CFOの41%が従業員数を削減したか或いは削減を考えており、71%が新規雇用者数を削減している。
CFOの82%が今後12カ月のキャッシュ・フローは改善すると見ている。但し、約半数のCFOは配当金の支払いの削減を考えている。彼らの多くは、これら資金を社内での再投資に振り向けることを計画している。
多くのCFOが今回の景気後退により自社の貸借対照表の質的改善が必要になったと考えている。また約半数のCFOが貸借対照表上の金融リスクが過去12カ月で高まったと見ている。
自社の借り入れ状況についてCFOの42%は適切な水準と考えているが、49%は借り入れ過多と見ている。
株式の発行についてCFOの73%が今は適切な時期とは見ていない一方、47%は適切な時期と考えている。これは、CFOの77%が、現在の資本調達コストは高いと考えているにも関わらずである。
CFOは、社債の発行や株式の発行よりも銀行借り入れを、多少ではあるが好ましい手段と見ている。
企業にとっての新たな資金調達に関して、CFOの60%は依然調達は容易ではないと感じている。但し、CFOの67%は2010年になれば今よりも調達し易くなると見ている。
CFOの68%は今後12カ月で資本市場での何らかの形での調達を考えている。
CFOは、不動産価格は依然割高と見ているが株価はそろそろ適正水準に近づいたと考えている。CFOの72%は、今後1年で株式指数が上昇すると見ている。
大多数のCFOは、2010年に企業買収・合併の動きが活発化すると見ている。

(11月13日、記)
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(幹事 畑中美樹<はたなか・よしき>)