世界金融危機の影響による国内経済へのインパクトを緩和するために在外資産を取り崩しているサウジアラビア
(2009年11月13日掲載)

 サウジアラビアが2009年1~9月の間に、世界金融危機の影響による国内経済へのインパクトを緩和するために在外資産を取り崩していることが当局の発表で明らかとなった。尚、サウジアラビア通貨庁(SAMA)の運営・管理する在外資産の引き出しは、原油価格が持ち直したことから2009年夏場には一旦停止された。しかし、サウジアラビアは予算を上回るペースで歳出を続けてきたこともあって、2009年9月には再び在外資産の取り崩しを行っている。因みに、SAMAの在外資産は、2009年8月に約20億リヤル(約5億3400万ドル、約480億円)増加し、9月に約100億リヤル(約26億7000万ドル、約2400億円)減少している。尚、2008年末と2009年9月末のSAMA在外資産は次の通りである。

表 サウジアラビア通貨庁の在外資産残高
(単位:サウジ・リヤル、米ドル<>内)
   2008年12月末 2009年9月末
総   額 1兆7090億
<4563.3億ドル>
1兆4840億
<3962.6億ドル>
 うち、在外銀行預金 3790億
<1012.0億ドル>
2380億
<635.5億ドル>
    有価証券 1兆1540億
<3081.4億ドル>
1兆710億
<2859.8億ドル>
    外貨・金 1210億
<323.1億ドル>
1271億
<339.4億ドル>
    その他 550億
<146.7億ドル>
479億
<127.9億ドル>

 2009年のサウジアラビアの在外資産の取り崩し速度を見ると、上半期は速く、その後はやや鈍化している。上半期の取り崩し速度が速かったのは、原油価格の低迷と産油量の減少、さらに高水準の歳出が重なっためである。結局、2009年1~9月の間にサウジアラビアは合計2250億リヤル(約600億ドル、約5兆4000億円)の在外資産を取り崩しているが、大半は外国にある銀行預金であった。

 サウジアラビアのナショナル・コマーシャル銀行は、2009年の予算上の歳出は4750億リヤル(約1268.4億ドル、約114兆1520億円)だが実際には5210億リヤル(約1391.2億ドル、約125兆2070億円)に達すると推計している。他方、歳入は予算上の4100億リヤル(約1094.8億ドル、約98兆5310億円)が5460億リヤル(約1457.9億ドル、約1312兆1495億円)に増加すると見ている。

(11月9日、記)
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(幹事 畑中美樹<はたなか・よしき>)