アブドゥラ国王とペレス・イスラエル大統領の会談を否定し米国務省に説明を求めたサウジアラビア
(2009年5月8日掲載)

 サウジアラビア国営通信は2009年4月30日、ウィリアム・バーンズ米国務次官(政治担当)が(2009年4月27日に)言及したアブドゥラ国王とペレス・イスラエル大統領との会談はなされておらず、米国務省に何故そのような発言となったのかの説明を求めているとのサウジ政府高官の発言を伝えた。サウジ国営通信によれば、同日、サウジ政府は同国営通信に概要次のように発言した。


ウィリアム・バーンズ米国務次官(政治担当)の主張は全くの誤りであり、作り事である。
米国務省は同次官の主張を否定し、親密な二国間関係にプラスとならないこうした発言が何故なされたのかの理由を説明せねばならない。
幾つかのメディアがバーンズ次官の発言内容を伝えた。それらは、バーンズ次官は、2008年11月12、13日に国連の主催した宗教間対話会議の開催と並行する形で、アブドゥラ・サウジ国王がペレス・イスラエル大統領と会談したというものであった。


 サウジ反体制派のウェブサイトで流された同日のバーンズ次官の発言を見ると、バーンズ次官は凡そ次のように語り、アブドゥラ国王の行動を称賛している。


アブドゥラ国王は、世界の宗教に寛容と理解をもたらすことで、宗教間イニシアチブを前進させた。
2008年秋の宗教間対話の傍らで、アブドゥラ国王はペレス・イスラエル大統領と会談した。それはサウジ指導者とイスラエル指導者との(史上)初の会談となった。
アブドゥラ国王はローマ法王と会談した初の国王ともなった。


 周知のように、サウジアラビアはイスラエルと外交関係を持たないものの、2002年以降、イスラエルがアラブ全占領地から引き上げる見返りとして、イスラエルを承認するというアラブ和平イニシアティブを推進している。2008年11月の宗教間会議は、やはりサウジアラビアが2008年7月にマドリッドで主催した世界対話会議をフォローアップするために同国のイニシアティブで開かれたものであった。


 尚、サウジアラビアのワル・ワタン紙は、宗教間対話会議に先立ち、ペレス・イスラエル大統領が国連の高官たちから、国王の演説の前であれ、後であれ握手を求めないように言われたと報じている。また同紙は晩餐会でも両首脳は同じテーブルに座らなかったと伝えている。消息筋は、そうすることで、イスラエルがパレスチナの権利を侵すことを止め和平に対して真剣な姿勢を示すまで、サウジアラビアとイスラエル要人の直接の出会いもなければ、握手もないことをサウジ政府が示したかったものと解釈していた。ウィリアム・バーンズ米国務次官(政治担当)の発言内容がサウジ政府の主張を覆すものであるだけに、どのような決着となるのか注目される。

(5月2日、記)
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(幹事 畑中美樹<はたなか・よしき>)