政府系企業の資金支援を主な目的として「ドバイ金融支援基金」を創設したドバイ首長国
(2009年7月24日掲載)

 シェイク・ムハンマド・ビン・ラシッド・アル・マクトゥームUAE副大統領兼ドバイ首長は、2009年7月22日勅令を発出し、政府系企業の資金支援を主な目的として「ドバイ金融支援基金」を創設した。新基金はドバイ政府の発行する200億ドルの債券計画を管理すると共に、ドバイ政府及びドバイ政府系企業に商業ベースで融資を行う。新基金はUAEの経済発展に資するドバイ国内の重要な事業に携わるドバイ政府及びドバイ政府系企業に金融支援を行う独立機関として設立された。

 以下では、アブドゥルラフマン・アル・サーレハ・ドバイ財務庁長官が2009年7月22日付けのガルフ・ニューズ紙で、記者の質問に答える形で明らかにした「ドバイ金融支援基金」についての説明を要約する形で掲載することとしたい。


1.新基金の目的は何でしょうか?

 ドバイ政府は2009年初に200億ドルの債券発行計画を明らかにした。これはドバイの政府系企業の債務返済を支援するためのものであった。その時以来、我々は正しい対応に関してコンサルタンツ(複数)と協議してきた。債券発行による資金を如何に運営・管理するか、追加資金をどのように調達するか、政府系企業と密接な連絡をとりながらどのように動くか等々である。そして、今、我々は、シェイク・ムハンマド・ビン・ラシッド・アル・マクトゥームUAE副大統領兼ドバイ首長の勅令により「ドバイ金融支援基金」を設立した。


2.基金は救済的な性格を持ったものでしょうか?

 そうではありません。ドバイの政府系企業が、長期的には強固な戦略的立場に立っていることを強調したい。これら企業は様々な戦略的事業を実行している。またドバイの政府系企業は事業から収入を得るので、これにより操業を行うことが出来る。従って、必要なのはドバイ政府系企業の現下の債務支援を行うことだけなのです。しかも、その支援は商業融資であり、期限が来れば市場の状況の改善と共に返済せねばならないものです。それ故、救済策ではありません。


3.2009年12月に返済期日を迎えるナキール社の35億ドルの債務の行方を市場は注目しています。ナキール社も融資対象となるのでしょうか?

 原則として我々はいつ、どのように政府系企業に融資するかを明らかにはしません。我々は全ての政府系企業と緊密に連絡を取っています。現時点では全ての政府系企業は手続きに即して融資を得る対象となります。各社の申し出は最高金融委員会に提出され、同委員会が審査のうえ最終的な勧告を行い資金が割り当てられます。


4.第一回目の債券発行による100億ドルはどのように使用されたのでしょうか?

 我々はどのように資金が配分されたかを公開しません。受領した企業が公開するか否かは企業の判断によります。我々は資金の配分に関しては基準があります。融資に関しては企業の規模、事業の内容によります。事業については、ドバイ政府の長期戦略に重要なインフラ事業が優先される。


5.ドバイの総債務は800億ドルに達するとの報道もありますが、新基金で対応可能なのでしょうか?

 報道されている総債務はドバイ政府と政府系企業の債務の合計額です。政府の債務は200億ドルで十分対応できます。政府系企業の債務も長期的に対応可能です。ドバイの政府系企業は我々と緊密に連絡を取っています。我々は彼らが債務に長期対応する戦略を持っているのを知っています。我々は200億ドルから支援を始めましたが、さらに支援の必要があれば追加資金を調達します。


6.シェイク・ムハンマド・ビン・ラシッド・アル・マクトゥームUAE副大統領兼ドバイ首長は、最悪期は過ぎたといわれましたが、まだまだ課題もあるように見えるのですが?

 最悪期は過ぎました。ドバイのファンダメンタルズは強固です。首長の発表された戦略は進行しています。過去数年でドバイはGCCでもユニークなインフラを発達させました。メトロは予定通り9月9日に開通しますし、空港の拡張も計画通りに進行中です。我々は行く手が極めて前向きであると感じていますし、我々は極めて楽観しています。

(7月23日、記)
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(幹事 畑中美樹<はたなか・よしき>)