英国・GCC・フランスを訪問し対米投資問題や原油価格水準・世界経済危機などへの対応を協議するガイトナー米財務長官
(2009年7月14日掲載)

 米国のガイトナー財務長官が2009年7月12日に米国を出発して、13日から16日にかけて英国、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、フランスの各国を訪問する。ガイトナー米財務長官はサウジアラビアとUAEでは、約1ヶ月前の中国訪問時と同様に対米投資は依然安全であることを訴える継続的な投資を要請する模様だ。

 出発を前にしたガイトナー米財務長官は2009年7月10日、CNNテレビの番組「ファリード・ザカリアGPS」のインタビューで、オバマ政権は強い米ドルが米国の利益に適うのでドル価値の維持を確約していることや、米国経済及び米国金融制度への信認につながる政策を約束していることを繰り返し表明した。この発言から考えても、ガイトナー米財務長官は今回のGCC訪問で、米国が現在の経済後退と金融危機から抜け出せば財政赤字を大幅に削減しドルの低下に努める意向であることを説明するものと思われる。

 ガイトナー米財務長官が、UAEでは、政府系ファンドと会談することも既に伝えられている。UAE、特にアブダビとサウジアラビアが巨額の米国債の購入者であることはよく知られている。ガイトナー米財務長官は、これら二カ国の訪問時には対米投資、特に米国債の継続的購入を強く要請すると推察される。米財務省の高官は「ガイトナー長官は米国が中東からの投資に開放的であることを保証すると共に、対米投資を行う政府系ファンドに影響するかもしれない新しい規則類についても説明することになろう」(エミレーツ・ビジネス紙 2009年7月13日)と語り、UAE及びサウジ政府に米国が新規制を導入してもそれぞれの国の政府系ファンドを害するものではないことを解説する模様だ。

 今一つ同長官が2カ国で要請するのは余り高すぎない水準での原油価格の安定化であろう。サウジアラビアは既に経済的には1バレル当たり50ドルでも支障がないと言明しているものの、最近になって、長期的には70~80ドルは必要との石油輸出国機構(OPEC)の見解を支持してもいる。以上のほか、ガイトナー長官は、①テロ組織への資金支援の管理、②イランが交渉による核開発問題の解決に応じない場合の追加経済制裁の可能性、③国際金融危機の再発防止策などについても協議する見込みである。

 尚、ガイトナー米財務長官が今回訪問する4カ国は、UAEを除いて9月24日、25日と米国のピッツバーグで開催するG20首脳会議に参加するメンバー国である。

(7月11日、記)
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(幹事 畑中美樹<はたなか・よしき>)