サウジアラビアによる自国割当生産枠を超えた減産の可能性を指摘する石油専門家達
(2009年1月13日掲載)

 サウジアラビアの石油情勢に詳しい消息筋は、2009年1月10日、同国が原油価格の建て直しのための先制措置として自国に割り当てられた生産量よりもさらに30万B/D減産する可能性があると語った。因みに、サウジアラビアは2008年12月のOPEC総会の取り決めに従って2009年1月1日から生産量を800万B/Dに引き下げたばかりである。


 しかし、サウジアラビアによる減産にも関わらず原油価格は再び1バレル40ドル前後の水準まで低下した。同筋は、こうしたことからサウジアラビアが2009年2月から自国割り当て以下に生産量を落とす準備を進めているという。サウジアラビアのアブドゥラ国王は、2008年12月、クウェイト紙とのインタビューで公正な原油価格は1バレル75ドルと語っていた。


 サウジアラビアの石油情勢に精通した某石油企業役員は「我が社はサウジアラビアから2009年2月以降、産油量を770万B/Dに削減すると通告された」「サウジアラビアは大幅な石油在庫の積み増しや原油価格のさらなる低下を防止したいと考えている」(ガルフ・デイリー紙 2009年1月11日)と述べ、既にサウジアラビアから一層の減産通告があったことを明らかにしている。周知のように、サウジアラビアは2008年7月11日にWTI価格が147ドル台に上昇したこともあって、8月の生産量を970万B/Dに引き上げ、油価の行過ぎた上昇の是正に乗り出した。その後、原油価格が下落に転じたこともあって、同国は9月には生産量を引き下げている。


 アジアのサウジアラビア原油の購入者は、既にサウジアラビア原油の取扱量が過去5年で最少となると見ており、欧州や米国の購入者も大幅供給削減に備えはじめている。こうした石油企業は、サウジアラビアが原油価格の建て直しのために単独での減産に踏み切るのか、或いはOPECによる広範な減産に頼るのかを判断するのは時期尚早と考えている。但し、サウジアラビアが2009年には需要減という問題があるのだから何らかの対応策を採らねばならないと考えているのは事実と見る。特に、春の不需要期を前にして石油在庫の大幅積み増しという事態を回避しようと考えているはずと推測している。


 因みに、OPECは2008年12月17日の総会で220万B/Dの減産に合意したことで、2008年9月からの減産合意は合計で世界の石油需要量のほぼ5%に相当する420万B/Dに達している。尚、OPECバスケット価格の最近の動向は以下の通りである。


<毎日の動き>
18/12/08 39.48
19/12/08 37.72
22/12/08 36.92
23/12/08 34.49
24/12/08 33.36
29/12/08 34.69
30/12/08 34.95
31/12/08 35.58
02/1/09 39.95
05/1/09 43.86
06/1/09 46.27
07/1/09 45.75
08/1/09 42.13
09/1/09 41.92
10/10/08 77.98
17/10/08 67.88
24/10/08 61.53
31/10/08 57.64
07/11/08 56.83
14/11/08 50.75
21/11/08 45.4
28/11/08 46.03
05/12/08 40.77
12/12/08 39.06
19/12/08 40.28
26/12/08 34.92
02/01/09 36.29
09/01/09 43.99

(1月12日、記)
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(幹事 畑中美樹<はたなか・よしき>)