開館式が行われた世界最大規模となる在イラク・米大使館の新庁舎

(2009年1月9日掲載)

 2009年1月5日、首都バグダッドの中心部で世界最大規模となる在イラク・米大使館の新庁舎の開館式が行われた。式典には、ライアン・クロッカー駐イラク・米大使に加えて、イラク戦争後の初代駐イラク・米国大使を務めたジョン・ネグロポンテ米国務省副長官やジャラル・タラバーニ・イラク大統領が出席した。しかし、ヌーリ・アル・マリキ首相はイラン訪問中のため欠席した。


 ライアン・クロッカー駐イラク・米大使は式典で、「米大使館の新庁舎は、米国がイラクに対して長期的に確約していることを如実に示すものである」「我々は今後この大使館からイラクとの友情を育み、イラクの将来に貢献する」と語り、米国とイラクとの良好な関係はこれからも続くことを強調した。また初代駐イラク・米国大使を務めたジョン・ネグロポンテ米国務省副長官は「諸君は、2003年以降イラクで勤務してきた多くの献身的な米国人が築いた友情、協調、支援という伝統がこれからも続くのを大使館から見続けることになる」と語り、米国・イラク関係の強固さを訴えた。


 他方、ジャラル・タラバーニ・イラク大統領は「この地に立つ大使館という建物は、イラクを解放するとのジョージ・ブッシュ大統領の勇気ある決断なしには建っていない」「この建物は単に大使館というだけでなく、米国民とイラク国民との深い友情の象徴でもある」と述べ、イラク解放を決意したブッシュ大統領を称えた。


 首都バグダッドのチグリス川岸の旧米軍管理区域(通称グリーンゾーン)の総面積104エーカー(約42万平方メートル)の土地に7億ドル超を投じて建設された新大使館は、米国の大使館としては世界最大のものとなった。今後、敷地内の27棟では外交官、軍要員、政府機関職員ら約1200人が勤務する。米外交官や軍関係者は、既に2008年12月31日から、それまで使っていた旧大統領官邸を後にして移り住んでいた。これにより旧大統領官邸は、完全にイラク政府及びマリキ首相事務所となった。


 周知のように、イラク駐留米軍は、2009年1月1日、首都バグダッドの米軍管理区域(通称グリーンゾーン)の管理権をイラク・米国地位協定に基づいてイラク側に移譲し、区域内で式典を開いていた。因みに、旧大統領宮殿は、旧フセイン政権の崩壊後、米国人が主導する占領行政を率いた連合国暫定当局(CPA)などの本部としても使用されていた。

(1月7日、記)
<関連情報>

イラク側に移譲されたバグダッドの米軍管理区域(グリーンゾーン)の管理権と調印された非米多国籍軍駐留協定【1/6】

クーデターを計画していた容疑で逮捕した内務省職員ほかを嫌疑なしとして釈放したイラク【12/24】

イラクでクーデター計画が発覚し内務省の高官ら35人が逮捕されたと報じたニューヨーク・タイムズ紙【12/19】

全省庁及び地方政府に不急不要の費用の削減を要請したイラクのバヤン・ジャベル財政相【12/16】

大統領評議会の承認でイラク側の手続きは全て完了した米国・イラク地位協定【12/9】

(幹事 畑中美樹<はたなか・よしき>)