ようやく一部閣僚を含む大規模な人事異動に踏み切ったサウジアラビアのアブドゥラ国王
(2009年2月17日掲載)

 サウジアラビアのアブドゥラ国王は、2009年2月14日、閣僚の一部や宗教関係組織、諮問評議会、通貨庁、軍隊などの要人に関する大規模な人事異動を発表した。因みに、アブドゥラ国王がこれだけ大規模な人事異動を行ったのは、2005年8月に国王に就任して以降、初めてのことである。実際の異動は2009年2月28日から発効する。


 ガジ・アル・ゴサイビ労働相は「今回の人事異動は、アブドゥラ国王が導入した新しい教育と司法改革を実行するために行われた」とコメントしている。また、アル・ワタン紙のジャマル・カショギ編集長は今回の人事異動について、「新たな血と新たな構想をもたらすためのものである」「今回の任命された人々は、穏健で、多くはアブドゥラ国王の掲げる改革の課題の考えに近く、国王に密接に協力して働いてきた」とコメントしている。以下では、今回発表された主な異動について見る事としたい。


<一部閣僚の異動>
文化情報相:アブドゥルアジズ・ビン・ムヒユッディーン・ホジャ・駐レバノン大使が昇格。イヤド・ビン・アミン・マダニ前情報相は、改革を強く主張し、国内の新聞が宗教界に批判的な記事等を掲載するのを許可したことで保守派の批判を浴びていた。

保健相:著名な外科医であったアブドゥラ・ビン・アブドゥルアジズ・アル・ラビーフが就任。

教育相:ファイサル・ビン・アブドゥラ・ムハンマド王子が就任。前任者はアブドゥラ・ビン・サーレハ・アル・オベイド氏。

司法相:シェイク・ムハンマド・ビン・アブドゥルカリーム・アル・イーサ控訴院副長官が就任。


<宗教関係組織での異動>
最高司法評議会委員長:サーレハ・ビン・フメイド前諮問評議会議長が横滑り就任。前任のシェイク・サーレハ・アル・リヘダン氏は、不道徳な番組を放映した衛星放送の所有者の殺害は認められるとの2008年9月に出した判例がアラブ世界で波紋を広げていた。

最高裁判所長官:アブドゥルラフマン・ビン・アブドゥルアジズ・アル・ケイヤ氏が就任。

勧善懲悪委員会(宗教警察):シェイク・アブドゥルアジズ・ビン・フメイド氏が就任。シェイク・イブラヒム・アル・ゲイス前委員長はイスラム保守色を強めすぎたことから更迭された。


<諮問評議会の異動>
諮問評議会議長:アブドゥラ・アル・シェイク法務相が横滑り就任。


<通貨庁での異動>
サウジ通貨庁(SAMA)総裁:ムハンマド・アル・ジャセル副総裁が昇格。1983年から総裁代行を務め、その後、1985年から総裁の職にあったサウド・アル・サヤリ総裁は後任にその座を譲った。アナリスト達は総裁の変更は、SAMAの政策に特に大きな変更はもたらさないと見る。


<初の女性副大臣の誕生>
教育省副大臣(女性教育担当):ヌーラ・ビント・アブドゥラ・アル・ファイズ公共総務研究所女性局長が就任。このポストは新設であり、サウジアラビアの女性の公職としてはこれまでで最高位となる。前任者はハーリッド・ビン・アブドゥラ・ビン・ムハンマド王子。


<その他の主な異動>
教育省副大臣(閣僚級):ファイサル・ビン・アブドゥルラフマン・アル・ムアンマル・アブドゥルアジズ国王センター事務局長が就任。尚、同王子はアブドゥラ国王の娘婿に当たり、これまで教育改革を舞台裏で取り仕切ってきた人物として知られる。

教育省副大臣(男子教育担当):ハーリッド・ビン・アブドゥラ・アル・サブティ氏が就任。前任者はサーイド・ビン・ムハンマド・アル・マリーズ氏。

国家警備隊保健局長:バンダル・ビン・アブドゥルモフセン・アル・カナウィ博士が就任。

軍参謀副総長:フセイン・ビン・アブドゥラ・アル・クベイル中将・陸軍司令官が就任。

陸軍司令官:アブドゥルラフマン・ビン・アブドゥラ・アル・ムルシッド少将が中将に昇格し就任。

控訴院長官:イブラヒム・ビン・シャイエ・アル・ホケイル氏が就任。

控訴院副長官:アリ・ビン・アブドルラフマン・アル・ハマド氏が就任。

人権委員会委員長:バンダル・ビン・ムハンマド・アル・アイバン氏が主任。

王家顧問(閣僚級):アブドゥラ・ビン・スレイマン・ビン・ムニエ氏、アブドゥラ・ビン・ムハンマド・アル・ムトラック氏、アブドゥル・モフセン・アル・オバイカン氏。がそれぞれ就任。

サウジ食品薬品庁長官:ムハンマド・ビン・アフマド・アル・ケンハル氏が就任。

最高行政裁判所長官:ムハンマド・ビン・ファハド・アル・ドサリ氏が就任。

(2月16日、記)
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(幹事 畑中美樹<はたなか・よしき>)