依然2兆5600億Dh(6980億ドル)の建設事業が進行中のUAE

(2009年2月13日掲載)

 ドバイの調査会社プロリーズ(Proleads)の調べによれば、国際金融危機の影響による経済停滞にも関わらず、UAEでは依然2兆5600億Dh(6980億ドル)の土木建設工事が進行中である。他方、現在建設が止められている土木建設工事は、約5820億ドルであるので、54.5%の事業がまだ進められていることになる。CBリチャード・エリス社のニコラス・マクレーン常務取締役は、この数字について、「依然50%強の事業が進行中であるというのは良いニュースであるし、UAEの建設市場に自信を取り戻す種類の情報である」(ガルフ・ニューズ紙 2009年2月6日)とコメントしている。因みに、プロリーズの最新の調査報告書は、UAE国内のビル建設、道路、鉄道、橋梁、港湾、教育、保健施設、スポーツ施設、ホテルなどの合計1289の事業について現状を調べたものである。但し、同報告書は、同時に、不動産、レジャー、娯楽分野の事業の建設が、国際金融危機の影響で遅れはじめていると分析している。この点について、プロリーズ・グローバル社のエミール・レイドメイヤー取締役は、「UAEは最早、ミルクと蜜の地ではなくなった」「但し、そうは言っても、世界のその他地域に比べれば、はるかに良いのだが」(同上)と指摘する。さらに、同取締役は、「6980億ドルもの事業が進行中であるということは、よく考えて見れば、米国の経済浮揚案とほぼ同額の事業をUAEは進めているということであり、大変なことである」と強調している。


 ところで、数多くの不動産事業が2009年初での完成を予定していたが、これら事業にもやや遅れが出ている。UAEの建設業は、つい最近まで不動産部門でのブームに引っ張られて各種事業が目白押しであった。しかしながら、UAEの不動産市場は、居住用・商業用・小売用を問わず2008年12月には値下がり傾向が顕著となった。同時に、これら全ての分野で事業の見直し、先送りや停止も顕在化した。プロリーズの調査報告書は「事業の見直し、先送り、停止が増えるようであれば問題が大きくなる潜在的可能性が高まる。しかし、UAEの建設業界ではキャッシュ・フローの問題は起きていない」「UAEの建設業が最終的に大丈夫と見るのは、キャッシュ・フローの問題が起きていないからだ」「今後、UAEの経済がいつ上向くかは、事業がどの程度、見直し、先送り、停止されるかによるが、究極的には、世界を同時不況に引き落とした米国経済がいつ回復し、それにより、いつ世界経済が立ち直るかにかかってこよう」(同上)と分析し、やはり、UAE経済の先行きも米国経済の本格回復時期次第であると結論づけている。

(2月7日、記)
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(幹事 畑中美樹<はたなか・よしき>)