2009年のGCC諸国の自動車販売台数の伸び率は3%から5%へと低下すると予測するトヨタ自動車
(2009年2月3日掲載)

 2008年のトヨタ自動車の販売台数は897万台とGMの835万台を抜いて世界一となった。GMにとっては自動車販売台数が世界一でなくなるのは1930年以来のこととなる。2008年の世界の自動車販売市場は6910万台と2007年の7180万台から3.7%縮小した。こうしたなかトヨタ自動車の坂口・オセアニア/中近東/南アジア部長は、2009年1月25日、ガルフ・ニューズ紙に、2009年のGCC諸国の自動車販売台数の伸び率は前年比3%から5%へと低下するとの見方を明らかにした。


 坂口部長は「GCCの自動車市場は調整過程にあり、2009年の販売の伸び率は2008年に比べて3%から5%の伸び率に留まろう」「過去5年間の前年比20%超の伸び率の時期を経て、GCC諸国の自動車販売市場は減速しつつあると見る」「市場が回復するのは2009年下半期に入ってからとなろう」「我が社はGCC諸国の自動車販売市場は2011年になれば再び安定成長を遂げると見る」(ガルフ・ニューズ紙 2009年1月25日)と語り、当面、GCC諸国での自動車販売の高い伸びは見込めないことを示唆した。


 2008年の場合、GCC諸国の自動車販売台数は約140万台だが、トヨタ自動車はその約35%相当の51万6000台を販売した。しかしながら、国際金融危機の影響がUAEにも及びはじめたことから、世界の自動車メーカーは、販売減は避けられないとの見方を強くしている。この点について坂口部長は「UAEにとって課題の時期である」「私としては2009年のUAE市場は横ばいに終わるが、第4四半期から上向くのではないかと見ている」「だからと言って伸び率が前年比20%超に戻るわけではない。我々は2010~2011年で前年比の伸び率が10%に戻る状態を予想している」(同上)と続け、2004年から2008半ばまでのような高い伸び率には直ぐには戻らないとの認識を示した。


 その上で坂口部長は「GCC諸国の政府は過去の高油価の時代に財政余剰を蓄積しているので、2009年は積極的な予算を発表した」「GCC諸国の人口は増加を続けている。特に、自動車運転免許証を取得できる年齢層の急増は続いている」「GCC諸国の在住者3800万人の66%超は30歳以下であるので、今後の自動車市場に機会を創出してくれる」「ユーロ安などからインフレ率も下がりつつある」「米欧経済は財政出動による景気刺激策から底を打って2009年下半期には回復に向かおう」(同上)と語り、GCC諸国は様々な理由から自動車販売市場としては当面有望との考えを明らかにした。


 最後に同部長は「他社は欧米市場に焦点を当てているが、我が社の成長戦略ではブラジル、ロシア、インド、中国、中東といった新興国市場に焦点を当て続ける」と述べ、中東を含む新興国市場に注力する考えを示した。

(1月26日、記)
<関連情報>

今後5~10年で環境配慮型且つエネルギー高効率型の建物を標準とすることを計画中のドバイ首長国【11/7】

経済ブームの進行で廃棄物処理が大きな課題となってきたGCC諸国【9/24】

自動車燃料に占めるバイオ燃料のうちの「第一世代」の使用に上限を設定した欧州議会【9/19】

独大手自動車企業ダイムラーへの大規模出資を協議中のアブダビ投資庁(ADIA)【8/19】

高成長の持続から前年同期比37%増と好調に推移するUAEの自動車販売動向【8/1】

(幹事 畑中美樹<はたなか・よしき>)