![]() |
||
|
||
| (2009年12月11日掲載) |
||
クウェイトの政府系ファンド(SWF)であるクウェイト投資庁(KIA)は、2009年12月6日、声明を発表し、保有するシティ・グループの優先株を普通株に転換後、41億ドルで売却したことを明らかにした。クウェイト投資庁(KIA)は同声明で、「売却により11億ドル(約990億円)の利益を得た。当初の投資に対する回収率は37%であった」「クウェイト投資庁(KIA)は2008年1月、シティ・グループの株式を優先株で31億ドル購入していた」(ロイター通信及びブルームバーグ通信 2009年12月6日)と述べ、2年近く保有していたシティ・グループの株式を売却したことを確認している。 クウェイト投資庁(KIA)は、シティ・グループとメリルリンチ(当時)の株式を合計50億ドルも購入したことで同国議会から厳しい追求を受けてきた。世界同時金融危機の影響で、これらの株式の価格が購入後に急落し、損失を計上する事態となってしまったからである。 こうした背景があるだけに、クウェイトのアル・ジョマン経済コンサルタンシー・センターのナーセル・アル・ナフィシ総支配人は「各政府系ファンドはそれぞれ独自の目的や投資戦略を持っている」「しかし、今般クウェイト投資庁(KIA)がシティ・グループ株を売却したのは、米国の状況が以前より改善し、恐らく資金の回収が図ることができたからであろう」(ロイター通信 2009年12月6日)と分析する。同じように、カタール投資庁(QIA)は2009年11月、保有するフォルクスワーゲン社の優先株の半分を売却し22億6000万ドルの資金を獲得している。 クウェイトの二人の国会議員は、2009年2月、2008年4月から12月の9ヶ月間でクウェイト投資庁(KIA)が90億クウェイト・ディナール(315億8000万ドル、約2兆8400億ドル)を失ったとして責任を追求していた。尚、これら議員は、クウェイト投資庁(KIA)の2008年12月末時点での総資産が約490億ディナール(約1720億ドル、15兆4700億円)としていた。 クウェイトのムスタファ・アル・シャマリ財務相は、2009年5月、ロイター通信に、クウェイトは保有するドル資産を減らすことはないものの、予算上の支払いのためにある程度の流動性を維持していると発言していた。 |
||
| (12月8日、記) |
||
| <関連情報> ●イスラエルとの接触を全面的に禁止する法案を求めるクウェイトの国会議員【11/6】 ●不動産から石油精製・石油化学まで中国への投資に積極的なクウェイト【11/4】 ●消費者向け融資210億ドルの緊急援助を政府に求める見込みのクウェイト議会【10/27】 ●今後4年間で合計約630億ドルの巨大プロジェクトを計画するクウェイト【10/23】 ●農業投資機会を求めて東南アジア諸国に接近するクウェイト中国投資社(KCIC)【10/16】 ●合弁製油所の建設を機にクウェイトとの経済関係の強化に期待するベトナム【10/2】 ●米国での不動産投資合併事業を開始すると発表したクウェイト・ファイナンス・ハウス(KFH)【9/18】 ●保有するシティ・グループ株とメリルリンチ株の売却は考えていないことを明らかにしたクウェイト投資庁(KIA)【9/11】 |
||
| (幹事 畑中美樹<はたなか・よしき>) |