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| (2009年8月21日掲載) |
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やや古い話となるが、英証券大手のバークレイズは2009年7月7日、カタール政府から10%強の出資を受けていることを発表した。英証券大手のバークレイズの説明によれば、QIA(カタール投資庁)から7.83%、カタール政府所有の投資会社チャレンジャー・ユニバーサルから2.84%の出資をそれぞれ受けており、少なくともその時点ではカタール政府がバークレイズの筆頭株主とのことであった。 バークレイズはヨーロッパ、米国、中南米、オーストラリア、アジア、アフリカなどに営業拠点を設ける英国の証券大手であり、総資産額は1兆2000億ポンド強と英国3位に位置する。また、英国のサッカー・リーグであるプレミアリーグのスポンサーとしても知られる。2008年、欧州の経済危機対策共同行動計画の一環として、英国は公的資金で主要銀行の優先株を買い取った。買い取り対象銀行には、バークレイズ、RBS(The Royal Bank of Scotland)、HBOS(Halifax Bank of Scotland)、ロイズグループ((Lloyds Banking Group)を筆頭に、HSBC、ロイズTSB(Lloyds TSB)、スタンダード・チャータード(Standard Chartered)、アビー(Abbey)、ネーションワイド(Nationwide Building Society)なども含まれており、主要8行の一部国有化を含め最大500億ポンドの公的資金を注入するとの計画であった。 この計画の結果、RBSとロイズ・バンキング・グループが実質国有化され、資金保証制度の適用を受けた。しかし、バークレイズは資金注入を拒否した。バークレイズは、民間金融機関としての性格を堅持すると共に、政府の新たな資本規制を満たすために自力で資金調達を行うことを余儀なくされた。その過程で、バークレイズは2008年6月、10億ポンド分の転換社債をQIAに売却している。また、同年10月にはさらにUAE(アラブ首長国連邦)などの投資家から70億ポンド前後の資金調達を行っている。 加えて、バークレイズは、UAEの王族であるシェイク・マンスール・ビン・ザーイド・アル・ナヒヤーン(Sheikh Mansour Bin Zayed Al Nahyan)王子から35億ポンド前後を、また、政府系ファンドである「カタール・ホールディングス」から20億ポンド前後を、さらに、カタール政府系のチャレンジャー・ユニバーサルから3億ポンド前後を調達した。これらのほか、バークレイズは同時期に中国国家開発銀行や三井住友ファイナンシャルグループ、シンガポールのテマセク・ホールディングスなどに対しても新株を売却し、さらなる資金調達に奔走した経緯を有している。 しかし、英国経済の低迷の中で、2009年1月にはバークレイズの株式は一株50ペンスまで下落してしまった。もっとも皮肉なことに、国有化の脅威の後退により株価の下落はそれ以後限定的となっている。 |
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| (8月18日、記) |
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| <関連情報> ●ドイツ企業とアルジェリアでの自動車組み立て合弁事業を行うアブダビ政府系のアーバル・インベストメンツ【8/18】 ●ロンドンのシティーの空にそびえる超高層ビル「シャード・オブ・グラス」を建設するカタール投資家【8/18】 ●2009年の世界経済への国際金融危機の影響は中東が最も小さいと見る世界銀行【4/7】 ●いよいよ西側先進国向けの投資を本格化させるリビアの政府系ファンド【3/19】 ●海外投資を6ヶ月間停止すると共に今後投資の焦点をエネルギーや商品に移すことを明らかにしたカタール投資庁【3/17】 ●資金繰りに喘ぐ企業向けの100億ドルの供与計画の最終調整を急ぐドバイ政府【3/17】 ●総額200億ドルの政府債券発行計画を発表したドバイ政府と第一回分100億ドルを引き受けたUAE中央銀行【2/24】 |
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| (著述家 高橋大樹<たかはし・ひろき>) |