9月開催の国際原子力機関(IAEA)総会で核施設攻撃禁止決議案を提出する予定のイラン政府
(2009年8月18日掲載)

 イランが2009年9月14日から開催される国際原子力機関(IAEA)総会で、核施設攻撃禁止決議案を提出する予定であることが明らかとなった。この複数以上の外交官がAP通信に明らかにし、イランのアリ・アスガル・ソルタニエIAEA大使が確認したものである。ただし、イランは特にイスラエルによるイラン核施設攻撃の脅しと関連したものではなく、一般的な事項として提案するものと説明している。

 イランのアリ・アスガル・ソルタニエIAEA大使は「我が国はイスラエルについて心配していない」「誰もイランに手を出すことはできない」「イランが提出しようとしているのは、原則的問題として世界的にそうした攻撃を禁止しようというものである」「これは国際社会にとって喫緊の課題と思う」「IAEA全加盟国がこの考えを支持するだろう」(ガルフ・ニューズ紙 2009年8月14日)と語り、あくまでも一般論として核施設攻撃を禁止する決議案を提出しようとしている点を強調した。

 また同大使は「イランも主要な発案国の一つであった『建設中・稼働中を問わず平和目的の各施設への一切の軍事攻撃を禁止する』との題名の決議案をIAEAは既に1990年に採択している」「今般の新たな決議案は、世界の原子力施設数が増えており、如何なる攻撃も世界中に汚染の脅威をもたらすことから提出される」(同上)と続け、イランのことだけを考えての決議案の提出ではない点を強調した。

 核兵器保有国と見られるイスラエルは、公式にはイランの核施設への軍事攻撃では静けさを保っている。しかし、既にイランに対して幾つかのシグナルを送っている。2009年7月にも核弾頭付のミサイルを搭載したイスラエルの潜水艦がいったん紅海に出た後、地中海に戻るという行動を取っているが、これなどもイラをン牽制することに狙いがあったと見られている。さらにイスラエル国内ではイラン攻撃を想定したとされる空軍による演習も実施されている。

 イスラエルは1981年にイラクのオシラク原子力施設を空爆したほか、2007年9月上旬にも原子力関連施設であったとの疑いの濃厚なシリア国内の施設も空爆によって破壊している。イランの新決議案の提出は、こうしたイスラエルの動きを改めて牽制するためのものと推察される。

(8月17日、記)
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(幹事 畑中美樹<はたなか・よしき>)