アフマド・ハマド・アルゴサイビ・&ブラザースのグループ企業2社を管理下に置いたバハレーン中央銀行
(2009年8月4日掲載)

 バハレーン中央銀行は2009年7月30日、サウジアラビアのサード・グループ傘下のアワル銀行及びアフマド・ハマド・アルゴサイビ・&ブラザース傘下のインターナショナル・バンキング・コーポレーション(TIBC)の2行を管理下に置いたことを明らかにした。因みに、2008年末時点でのアワル銀行の資産は38億ドル(約3610億円)、TIBCの資産額は76億ドル(約7220億ドル)である。

 2009年6月23日にTIBCに対する調査を始めていたバハレーン中央銀行は、銀行規則について言及しただけで今回の措置についての詳細な説明は行っていない。また問い合わせに対してTIBCの広報部は今回の動きを確認したがコメントは拒否した。他方、アワル銀行からもコメントは取れていない(ロイター通信 2009年7月30日)。

 管理下に置かれた2行は巨額の債務のリストラクチャリングに努めているが、同時に不正な金融取引を行っていたとの理由で何件かの訴訟も起こされている。起訴状によれば、サードのマアーン・アル・サネア会長はアル・ゴサイビ家の企業から約100億ドルを自分の事業に横流ししたとされている。ただし、マアーン・アル・サネア会長自身は、アル・ゴサイビ家とは何らビジネス上の関係はないと述べ否定している。

 今回の動きについてドバイの金融アナリストは「両行の規模はバハレーン銀行界で見れば極めて小さい」「しかし、銀行業に対する疑念を生んでしまった」「バハレーン中央銀行は銀行システム全般を守るために介入すべき時期が来たと判断したのだろう」(同上)と分析している。

 湾岸のビジネスマンの多くは、アフマド・ハマド・アルゴサイビ・&ブラザースのグループ企業の債務不履行問題が湾岸ビジネス全体に暗い影を落としていたので、今般のバハレーン中央銀行の措置を歓迎している。実際、バハレーン当局が同グループの関連企業の金融取引の凍結以外の措置を取らなかったことや、湾岸の銀行の同グループへの融資額が不透明であることなどが不安感を高めビジネスを鈍らせていた。また湾岸の銀行も家族経営形態の企業への不信を募らせたことから多くの融資を止めていた。湾岸のビジネスマンは一様に、対策が遅くなればなるほど銀行の融資活動の活発化は遅れると感じている。

(7月31日、記)
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(幹事 畑中美樹<はたなか・よしき>)