ドバイ経済の最悪期は過ぎたと見るシェイク・ムハンマド首長以下の同首長国政府要人達
(2009年4月28日掲載)

 シェイク・ムハンマド・ビン・ラシッド・アル・マクトゥームUAE副大統領・首相兼ドバイ首長が2009年4月19日、「ドバイ経済の最悪期は過ぎた」と述べて以降、オマル・ビン・スレイマン・ドバイ国際金融センター(DIFC)会長などのドバイ首長国の要人達による同様の発言が続いている。周知のように、シェイク・ムハンマド・ビン・ラシッド・アル・マクトゥームUAE副大統領・首相兼ドバイ首長は、4月19日、インターネットを通じて概要次のように述べ、今後ドバイの経済は上向くとの見方を示した。


2009年の経済成長率は鈍化しようが、政府による国内銀行救済策と景気刺激策によって経済は危機モードから解決モードへと移行した。
2008年第4四半期における国際金融危機のドバイ経済への影響は大きかったが、それでも先進国ほど深刻ではなかった。
2009年2月にUAE中央銀行がドバイ政府発行の債券100億ドルを引き受けたことは、ドバイも一員を成す連邦国家としてのUAEの強さを示すものである。
主としてインフラ建設のために行われたドバイの借り入れ750~800億ドルに対する流動性危機は一時的なものに過ぎない。
我が国の履行中の事業で停止されたものはないし、債務も期日通りに支払われており、工事業者も代金を受け取り始めている。


 シェイク・ムハンマド・ビン・ラシッド・アル・マクトゥームUAE副大統領・首相兼ドバイ首長がドバイ経済について語った二日後の2009年4月21日、オマル・ビン・スレイマン・ドバイ国際金融センター(DIFC)会長も、「政府支出とUAE中央銀行による100億ドルの債券引き受けによってドバイ経済に対する信認が戻り、2008年の経済後退からの回復を促した」と語り、ここに来てドバイ経済の先行きに明るさが戻りつつあるとの認識を示した。因みに、同会長は同日、ドバイで開かれた英国ビジネス・グループ主催のフォーラムで講演し、ドバイの経済状況について次のように述べた。


政府による景気刺激策の実施後、ビジネスに対する自信が戻りつつある。
2009年第1四半期のドバイの経済成長率は1~2%であった。
ドバイは経済が改善の兆候を示しているので、早々と回復モードに入りつつある。
ドバイの2009年の経済成長率は2~3%となろう。


 さらに、ナーセル・アル・シェイク・ドバイ財政庁長官は、UAE中央銀行がドバイ債券を引き受けたことでドバイ首長国の得た100億ドルのうち50億ドルが既にドバイ政府系企業に注入され、各社の代金支払いに充当されたことを明らかにしている。尚、同長官は、二回目の資金供給の時期について、企業が最も必要とする時期になると説明している。
因みに、ドバイの金融筋や外交筋は、ドバイ政府が今後発行する債券の購入について中国の制度金融機関とも協議していることを確認した。


 今後、政府系企業と並んで金融機関による貸し渋りから運転資金などの手元資金の不足に陥っているドバイの中堅・中小企業の救済策が重要となってこよう。この点について、オマル・ビン・スレイマン・ドバイ国際金融センター(DIFC)会長は、金融機関に流動性が増加しつつあり、また彼らの融資姿勢も軟化しつつあるので早晩解決が図られようがドバイ政府は依然注視していると述べ、必要に応じてドバイの中堅・中小企業の救済策を講じる考えを明らかにした。


 このほかオマル・ビン・スレイマン・ドバイ国際金融センター(DIFC)会長は、次のような興味深い点も披露していた。


ドバイ国際金融センター(DIFC)の投資戦略は変わった。2009年は国内市場に焦点を当てており、海外投資はしない。
UAEとしての商法を2009年末までに整理できればと考えている。

(4月26日、記)
<関連情報>

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(幹事 畑中美樹<はたなか・よしき>)