2009年は前年比10%減少と予測される中東・北アフリカ・諸国からの出稼ぎ送金額:ドバイ発
(2009年4月10日掲載)

 2009年の中東・北アフリカ諸国からの出稼ぎ送金額は、前年比10%減少に留まる見込だが、それでも中東やアジアの受領国にとっては痛手となりそうだ。世界銀行による最新の報告書によれば、2008年における中東・北アフリカ諸国からの出稼ぎ送金額は340億ドルに達した。しかし、世界的な金融危機の影響による中東、特にGCC諸国での開発事業の見直しや建設事業の縮小・停止・延期もあって、同額は2009年には330億ドルに減少すると予測されている。その後、同額は回復に向かうものの、それでも2010年が2008年と同額の340億ドル、2011年が微増の360億ドルに終わると見られている。


 但し、最新の世界銀行の報告書は「しかしながら、貿易・金融・不動産部門への依存度の高いドバイとその他UAE首長国、その他GCC諸国とを区分して見る必要がある」と分析している。同報告書は「近年、サウジアラビアの場合、出稼ぎ送金額と原油価格の間の相関度は低くなっている」「大半のGCC諸国は長期的観点からインフラ開発を行っており、その資金は過去に蓄積した資産で賄っていることが多い」「それ故、これら諸国がインフラ投資の速度を落とし、大量の出稼ぎ労働者を解雇することはありえそうにない」と述べ、GCCからの出稼ぎ送金が極端に減ることはないと予測している。


 その上で同報告書は「修正版の予測では2008年におけるGCC諸国からの出稼ぎ送金減少率は当初の予測より低い3%に終わった」と述べている。


表 世界の出稼ぎ送金額(実績及び予測):基本シナリオ
(単位:億ドル)
20081) 20092) 20102) 20112)
途上国全体 2030 2900 2990 3170
(対GDP比、%) (1.9) (1.8) (1.7) (1.6)
東アジア・太平洋 700 670 680 720
欧州・中央アジア 530 480 500 530
中南米・カリブ諸国 630 600 620 650
中東・北アフリカ 340 330 340 360
南アジア 660 630 650 700
アフリカ 200 190 200 210
注:1)推計 2)予測


 スタンダード&プアーズによれば、2008年のエジプト、レバノン、ヨルダン、チュニジア、モロッコの出稼ぎ送金受取額は、270億ドルと2001年の約3倍に達している。因みに、エジプトの場合、サウジアラビア、クウェイト、UAEへの出稼者からの送金収入は、2003/2004年度の11億ドルが2007/2008年度には4倍近い41億ドルに膨れ上がっている。


 世界全体の出稼ぎ送金額は、2007年の2810億ドルが2008年には3050億ドルへと約9%も増加している。但し、2007年の増加率は23%であったので、それとの比較では低下した。

(4月6日、記)
<関連情報>

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(幹事 畑中美樹<はたなか・よしき>)