リビアを訪問したライス米国務長官とカダフィ大佐の会談で確認された新時代の二国関係
(2008年9月9日掲載)

 ライス米国務長官は2008年9月5日、リビアの首都トリポリ入りしカダフィ大佐と会談すると共に、同大佐の市内の邸宅で断食月(ラマダン)の日没後の食事であるイフタールを共にした。ライス米国務長官は会談後にシャルガム・リビア外相と臨んだ共同記者会見で、「カダフィ大佐との会談は大変実のあるものであった」「今後文化協定が調印され、米国大使館がトリポリに設置されることになろう」と述べ、カダフィ大佐との会談が成功裏に終わったことを強調した。


 さらにライス米国務長官は「両国は良いスタートを切ったが、まだスタートに過ぎない」「しかし、何年か経って、今回、米国とリビアが前に進んだことが良いことであったと受け止められよう」「長い道のりが待っているが、今回のことは米国に永遠の敵はいないことを示した」「両国は多くの米国企業が求める投資環境の改善につながる貿易投資枠組みに向けて協議している」「両国はリビアの国連安全保障理事会の非常任理事国入りについても協議中である」「米国とリビアの関係は、ここしばらく良い方向に向かっているが、まだまだ道のりは長い」「両国は両国関係に関する良好な枠組みを構築した」「カダフィ大佐にアフリカで構築しようとしているアフリカ中央司令軍(Africom)について、平和維持軍などでのアフリカの自立支援が目的であることを説明した」と続け、幅広い議題で意見交換したことを示唆した。


 加えて、カダフィ大佐との会談では人権問題も取り上げたのかと問われたライス米国務長官は「相手を尊重する方法でこの問題を取り上げた」「人権問題も含めて開放的な対話を維持することが重要である」と答え、婉曲的言い回しながら人権問題にも言及したことを明らかにした。他方、リビアのショルガム外相は「リビアは変わった。米国も変わった。そして世界も変わった」「過去は忘れよう」と語り、未来志向で対米関係を進める意向を明らかにした。


 因みに、ライス米国務長官は、米国の国務長官としては1953年のジョン・フォスター・ダラス国務長官以来の55年振りのリビア訪問であり、米政府高官としては1957年のリチャード・ニクソン副大統領以来の51年振りのリビア訪問であった。

(9月7日、記)
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(幹事 畑中美樹<はたなか・よしき>)