機構として初めて共同でGCC投資家に対して積極的な投資を呼びかけた東南アジア諸国連合(ASEAN)
(2008年10月31日掲載)

 2008年10月上旬、ドバイで、東南アジア諸国連合(ASEAN)の財政相は機構として初めて共同でGCC投資家に対して積極的な投資を呼びかける会合を開催した。各国の大臣は「ASEAN諸国の経済は健全であり、現在の国際金融危機の嵐を乗り越えられる」「ASEANに抵抗力が備わっているのは、1997年に発生したアジア金融危機を契機に改革を行ったからだ」と述べ、投資対象地域としてASEANが安全であることを訴えた。


 同会合の共同声明は「今日のASEANは1997年に発生したアジア金融危機以降に導入された改革の成果もあってスリムになっている」「ASEAN諸国は財政の維持可能性を高め、資本市場を深化し、金融規則や監視体制を強化のうえ、債務の削減と準備高の積み上げを行ってきた」と述べ、金融危機を教訓に取り組んだ改革の成果が上がっている点を強調した。


 スリン・ピツワンASEAN事務局長は「ドバイで今回の会合を開催したことが、ASEANがアラブ地域との密接な関係作りを如何に重視しているかの証左である」「我々は両地域のパートナーシップが強化されたという新しい時代に入った」と述べ、ASEANがアラブ諸国との経済関係を重視していることを明らかにした。因みに、ASEANとGCCは2008年9月、金融・観光・食料・エネルギー安全保障・保健・文化交流の各面での協力関係を強化することで合意した。


 またスリン・ピツワンASEAN事務局長は「ASEAN財政相は、各国が伝統的にアラブ投資の受け皿となってきた米欧に代わる投資先となることをGCC投資家に訴えようとした」「GCC諸国の民間投資家は、ASEANでの投資機会の拡大に熱心であるので、我々を経由すれば幅広い接触先が出来ると確約しておいた」と続け、今回の会議でGCC諸国の反応が良かったことを示唆した。


 但し、各国の財政相は国際金融危機の深刻化が投資の導入を以前に比べて難しくしたことは認識している。この点を踏まえてムリヤニ・インドロワティ・インドネシア財政相は「ASEANは今回の国際金融危機を懸念しているが各国経済は健全である」「GCCとASEANのファンダメンタルズは強固であるのだから、もっと交流することには多くの利点がある」と呼びかけ、現下の金融危機に余り囚われることなくASEAN投資を行うよう促した。

(10月26日、記)
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(幹事 畑中美樹<はたなか・よしき>)