「米国イラン評議会」(AIC)のテヘラン代表事務所の開設を拒否する方向のイラン内務省
(2008年10月24日掲載)

 イランのアハマディネジャド大統領に近いアリ・コルダン内務相は、2008年10月22日、ケイハン紙に、「仮に米国イラン評議会(AIC)からテヘラン代表事務所の開設の申請が来ても、イランの国益の観点から許可をしない」と語り、イランは米国NGOの申請が来ても拒否する意向であることを明らかにした。


 イランは、これまでもしばしば国内の知識人やその他を使った「ビロウド革命」によりイランを弱体化しようとしてきたと非難してきた。「ビロウド革命」というのは、1989年にチェコスロバキアの共産政権が暴力を使わずに転覆された事件を指して使われる言い回しのことである。「米国イラン評議会」(AIC)はウエブ(www.american-iranian.org)上で、「我々の任務は、米国とイランの間に存在する多くの主要な誤解や、誤った受け止め方の克服を支援することである」と述べ、米国とイランの関係を変える触媒役を果たしたいとしている。


 またブレント・ロリス専務理事は、ウエブサイトで、「ブッシュ政権の承認により、我々は、平和を目指し紛争の解決を求めイラン国内で活動する唯一のNGOとなった」「我々は、政府高官、NGO高官、或いは両国民が、我々と共に、米国とイランの間に相互尊重の精神に基づく合理的な直接対話を促進することを支援したい」と述べ、テヘラン事務所が開設されれば意味のあるもののとなるとの見方を示していた。


 米国政府高官は「米国のNGOのテヘラン事務所の開設は、ブッシュ政権内で慎重に検討された」と述べ、ブッシュ政権としては熟慮の結果、認めたことを示唆していた。このほかブッシュ政権はテヘランに利益代表部を開設すべきか否かについても議論を続けてきた。イラン政府高官達は、この点についてはそのような要請があれば検討すると述べている。但し、影響力を持つイラン国会のアリ・ラリジャニ議長は、この動きについて、「ワシントンによる狡猾な動き」と論評している。


 さらに、イラン国営通信は今週、「イラン・イスラム共和国に忠誠的なバッシッジ戦闘部隊の学生メンバーが、イラン国内における米国の如何なるプレゼンスにも反対するとの意思を表示するために、旧米国大使館に事務所を開設する計画を立てている」と伝えている。


 NGO事務所のテヘラン事務所の開設の承認、テヘラン利益代表の開設の議論と、ここに来てブッシュ政権からイラン政府へのシグナルと思える動きが続いていただけに、今回のイラン内務相の発言が単に観測気球として述べられたものなのか否か。次のイランの言動、特に決定権限を持つハメネイ最高指導者の発言が気になるところである

(10月23日、記)
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(幹事 畑中美樹<はたなか・よしき>)