石油安定化基金から150億ドルを銀行部門に注入することを明らかにしたイラン中央銀行新総裁
(2008年10月7日掲載)

 イラン中央銀行のマフムード・バフマニ(Mahmoud Bahmani)新総裁が、工業生産を増大させるとの名目で石油安定化基金から150億ドルを銀行部門に注入することを明らかにした。マフムード・バフマニ新総裁が、アハマディネジャド政権の主張をなぞらえるように、ハムバステギ誌で、「必要資金は石油安定化基金から移管される」「生産増加を支援することは価格の上昇を抑制することになる」と語ったもの。


 アナリスト達は「タフマスブ・マザヘリ(Tahmasb Mazaheri)中央銀行前総裁は、既に27%にも達したインフレーションを抑制しようと融資規制を求めたことから、先週交替を余儀なくされた」「アハマディネジャド政権は2009年6月の大統領選挙に向けて金融緩和政策を希求している」と述べ、マザヘリ中央銀行総裁がアハマディネジャド大統領と異なる金融政策を主張したことで交替させられたと解説している。


 だがバフマニ新総裁は「自分自身を含む多くの専門家は石油安定化基金からの資金の引き出しには反対してきた」「しかし、生産増のために資金を引き出すというのはこの基金の目的に沿うものである」とハムバステギ誌に語っている。そもそも石油安定化基金は、原油価格が高水準時に余剰石油収入を蓄積し、原油価格が低下したり、或いは開発事業に必要資金を充当するときに引き出すための基金として設立された。


 ハムバステギ誌は「バフマニ新総裁が銀行部門の支援のために150億ドルの引き出しを求めた」「イラン政府は生産的事業向けの貸し出しを増やせば雇用増につながると議論してきた」「一部の議員によれば既に残高が70億ドルまで落ち込んでいる石油基金からの資金を、新総裁がどの程度の期間利用としているのか判然としない」と報じている。


 議員の一部は、「原油価格が予算編成時に比べて高くなっているので、石油安定化基金の残高はもっと増えていたはず」と不満を露にしているもっとも議員の中には「マザヘリ中央銀行前総裁は資金不足の産業向けに融資を少し緩めるべきであった」と語るものもいる。

(10月3日、記)
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(幹事 畑中美樹<はたなか・よしき>)