国際金融危機による影響とソブリン債務問題に対応するために「最高金融委員会」を設置したドバイ首長国
(2008年11月25日掲載)

 ドバイ首長国は、既に2008年9月下旬に国際金融危機による影響とソブリン債務問題に対応するために「最高金融委員会」を設置していたことを明らかにした。UAE銀行家フォーラム主催の昼食会でナーセル・アル・シェイク・ドバイ金融庁局長が語ったもの。同局長は「最近、ドバイのソブリン債務や政府所有企業の債務、政府管理企業の債務、民間企業の債務についての混乱した報道が多く見られる」「こうした報道はこれらの債務を全て対GDP比率で見ている」「だが、こうした報道は総債務の数倍に達するドバイのソブリン資産を無視している」と述べ、ドバイが依然金融的に強固な立場にあることを強調した。


 その上でナーセル・アル・シェイク・ドバイ金融庁局長は「最高金融委員会が、これらの異なる種類の債務を調査しており、ソブリン債務や政府所有企業の債務、政府管理企業の債務を取り扱うことになる」「我々は民間企業の債務には干渉しない」と語り、政府及び政府系の債務状況を精査中であることを示唆した。加えて、同局長は「最高金融委員会は金融危機の対応策をシェイク・ムハンマド・ビン・ラシッド・アル・マクトゥーム・ドバイ首長に勧告する」と述べ、最終的にはシェイク・ムハンマドの了解を得た上で対応策を講じる考えであることを説明した。


 さらにナーセル・アル・シェイク・ドバイ金融庁局長は、ドバイ首長国がソブリン格付けを求める動きを急ぐことを明らかにした。ドバイは2007年後半にソブリン格付けを得ようとしたものの、首長国政府機関の中に情報開示が十分でないところがあったことから遅れている。同局長は2008年夏に金融庁入りした自分にとっては、ドバイの債務問題の調整と並んで透明性の向上が目標であると説明している。


 尚、最高金融委員会はエマール会長のムハンマド・アル・アッバール委員長を含む6人の委員で構成されている。その6人の委員は、ムハンマド・アル・ガルガーウィ・ドバイ・ホールディングス会長兼UAE内閣相、ムハンマド・アル・シャイバニ・ドバイ・イスラム銀行会長兼ドバイ首長府長官、アブドゥルアジズ・ムヘイリ・ドバイ投資社会長、イーサ・カジム・ドバイ取引所会長、マルワン・ビン・ガライタ・ドバイ不動産規制庁長官である。


 UAE全体の債務状況は、2008年6月末時点で銀行借り入れが960億ドル、債券発行額(含む、スクーク)が530億ドルの合計1490億ドルである。またシティバンクの推計では、ドバイが2009年末までに借り換えを予定している金額は150億ドルから370億ドルである。因みに、UAE中央銀行は先月発表していた500億ディルハムの資本注入の第二回目として、11月第三週、銀行に250億ディルハム(68億ドル)の資本注入を行った。

(11月23日、記)
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(幹事 畑中美樹<はたなか・よしき>)