サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、カタール、クウェイトの4カ国に3000億ドルの金融支援を要請した模様の米国

(2008年11月25日掲載)

 クウェイトの日刊紙アル・セイヤッサーは高位の消息筋の話として、米国がサウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、カタール、クウェイトの4カ国に凡そ3000億ドルの金融支援を要請したと報じた。同紙によれば、米国の各国別の要請額はサウジアラビアが1200億ドル、アラブ首長国連邦(UAE)が700億ドル、カタールが600億ドル、クウェイトが400億ドルで合計額は実際には2900億ドルとなる。


 同紙は、「米国が金融危機によって引き起こされた事態に対処し、米国経済がひどい景気後退に陥るのを防止するための金融支援として同額を求めてきた」と背景を説明している。その上で同紙は、「米国はこれら資金を国際金融危機の影響で破綻に直面する自動車会社や銀行、その他企業の救済資金として活用することを計画している」と報じた。


 何れも石油輸出国機構(OPEC)に属するサウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、カタール、クウェイトの4カ国の現在の原油生産量はOPEC産油量の半分近い一日当たり約1400万バレルで、世界の供給量の約17%を占めている。尚、これら4カ国は過去約5年の原油価格の上昇による石油収入の急増で、この間に1.5兆ドルもの資産を増加させたと推計される。


 周知のように米財務省のロバート・キミット次官は、2008年10月下旬、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、カタール、クウェイト、イラクの5カ国を歴訪し、各国で財政相や政府系ファンド、その他投資機関と精力的な協議をこなした。特に、同次官は、2008年10月28日、ドバイで講演し、「我々は50年以上に亘り健全な商業目的で投資を行ってきた政府系ファンドが投資を引き続き行うことを期待する」「仮に、これら政府系ファンドが米国その他に投資すれば、それが世界経済への何よりの貢献となる」「我々は、商業目的の投資であり、政治目的でなく、安全保障上の懸念を惹起しない投資には開放的である点を明らかにしておきたい」と述べ、GCC諸国の政府系ファンドに米国経済を立て直すためにも対米投資を継続するよう呼びかけた。


 その上でキミット次官補は「最近、26カ国の政府系ファンドとIMFの取りまとめた投資規範は、政府系ファンドに対する理解を高めると共に、世界の金融の安定と国境を越えた資本の自由な流れに対して政府系ファンドが約束したことの重要性を示すものとなろう」「米国は大変厳しい四半期を迎えるが、国際金融危機を克服するには集団的対応が必要である」「我々は例え自国経済を立て直しても、今のように相互関係が入り混じっている世界では我々の主要なパートナーにも(解決に向けた動きを)呼びかけねばならないことを知った」と語り、GCCも米国の重要なパートナーとして国際金融危機の救済に共に動くことを訴えていた。

(11月23日、記)
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(幹事 畑中美樹<はたなか・よしき>)