緊急現地報告:国際金融危機の影響による不動産価格の下落に揺れるアラブ首長国連邦(UAE)~その3
(2008年11月21日掲載)

不動産販売の活発化へエマールが新方式を導入


 エマール・プロパティーズは、2008年11月12日、ドバイの不動産の購入を容易にすることを目的とする柔軟な支払い方式を導入した。同社の声明は、「我が社は(不動産を)『保有する』ための革新的なプログラムを導入した。このプログラムは、“Plan to Own”(所有への計画)と “Rent to Own”(賃貸から所有へ)の2方式で構成される」「両方式により不動産購入者は、より余裕のある条件で不動産を手に入れることが可能となる」と説明している。

 「所有への計画」方式は、銀行が不動産ローンを供与する際の担保比率(担保価値に対する融資可能な比率)を引き下げたことで生まれた不足分を補うものである。エマールが担保価値の25%を上限としてこの不足分を融資する。返済は期間5年で不動産取後の1年後から毎年1回、合計5回に分けて行われる。

 「賃貸から所有へ」方式は、不動産の賃借の1年後に購入者が物件を気に入り所有したいと望む場合、切替を可能とするものである。切替を希望する不動産の賃借者は、1年間に支払った賃借料を返済分と見なしてもらい購入契約に変更することができる。さらに、十分な資金のない場合、銀行からのローンに加えて、上述した「所有への計画」方式の適用が認められる。尚、当該物価の不動産価格は、当初の賃借時の価格となる。


導入見込み「不動産ブローカー信託勘定」

 不動産規制庁(the Real Estate Regulatory Agency, Rera)は、2006年法律第85条の中に、新たに「不動産ブローカー信託勘定」に関する条項を設ける方向で検討している。今回の動きは、不動産ブローカー業の透明性の向上と信頼の回復を目指したものである。マルワン・ビン・ガリータRera長官は「我々は不動産ブローカー信託勘定の創設に向けた協議の最終段階にある」と語り、そうした動きのあることを確認した。

 信託勘定が設立された場合、不動産の売手と買手の間での全ての資金の移動、例えば、頭金の支払いや手数料の支払いなどは、この信託勘定に入れられることになる。現時点では、不動産ブローカーと購入者との資金移動の伴う取引は、全てブローカーの名前で行われている。この勘定が設立されれば、不動産ブローカーやブローカー企業はReraの認めた銀行に口座を開設しなければならなくなる。

 この点についてガリータRara長官は「ブローカーと購入者の取引終了時に、信託勘定からブローカーに資金が移される」と述べ、今後の資金の流れを明らかにしている。但し、現時点ではRaraがどの銀行を認可銀行とするかについては未定である。2006年法律第85条は、ブローカー法は、ドバイ土地庁に登録された不動産の売買を行う全ての不動産ブローカーに適用されると規定している。不動産ブローカーは、ドバイ経済開発庁から取引許可証を取得のうえ保持すると共に、ドバイ土地庁にブローカーとして登録することを義務付けられている。これまでのところ、Raraに登録済の不動産ブローカーは6180社でブローカー企業は1859社である。

(11月18日、記)
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(幹事 畑中美樹<はたなか・よしき>)