行政裁判所の命令で次回審理の行われる11月17日まで取引を停止したクウェイト株式市場
(2008年11月14日掲載)

 アラブ世界でサウジアラビアに次ぎ第二位の規模を誇るクウェイト株式市場は、2008年11月13日、株価の下落と小口投資家の損失の拡大の防止を目的とする行政裁判所の命令に基づき取引を停止した。行政裁判所の命令は「行政裁判所はクウェイト株式市場での取引を本件での審理を再開する11月17日まで取りやめるよう命ずる」と述べている。


 行政裁判所の命令は、アーデル・アブドゥルハーディ弁護士が、過去数週間でクウェイト株式市場において巨額の損失を被った小口投資家たちを代表して行った訴えに応じて出されたものである。クウェイト株式市場の指標は、取引が停止された時点で前日比1.8%の低下となっていた。クウェイト株式市場のトレーダーたちは、「小口投資家たちが長生きするように」「弁護士に感謝する」と叫び、裁判所の決定に小躍りした。


 また行政裁判所は、「今回の命令は、株式市場の経営陣が株価の下落に対して有効な対策を講ずることに失敗したのを見て、小口投資家たちの損失の拡大を防ぐために出された」と説明している。クウェイト株式市場の指標は2008年6月24日、既往ピークの15,654ポイントをつけたが、その後下落に転じ43%超も落ち込んでいる。これまでクウェイト政府は、国際金融危機に対応して、クウェイト投資庁による数十億ドルの株式購入や中央銀行による数十億ドルの資本注入、レポ金利の引き下げを実施してきた。さらに、クウェイト議会も先週、国内の自国・外国銀行の預金を保証する法案を可決している。しかし、こうした対応策にも関わらず株価の下落に歯止めはかかっていない。


 11月13日が一週間の最終取引日であったGCCの5市場(ドバイ、アブダビ、カタール、オマーン、ドーハ)や11月12日が一週間の最終取引日であったサウジアラビア市場も指標を先週比下げている。


★ ドバイ金融市場:▲5.1%(過去4年で最低水準となった)
★ アブダビ証券市場:▲3.5%
★ ドーハ証券市場:▲2.6%
★ マスカット証券市場:▲2.3%
★ バハレーン株式市場:▲0.8%
★ タダウル全株市場(サウジ):▲約10%


 尚、クウェイト中央銀行は、国際金融危機で損失を被った投資会社の救済策として、別途、政府が新基金を創設し割引価格で資産を買い上げ、それに伴い投資会社が将来時点での資産の再購入を可能とする債券を発行する案を検討中の模様である。

(11月13日、記)
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(幹事 畑中美樹<はたなか・よしき>)