ブラウン英首相の湾岸3カ国歴訪:IMF支援を公言したカタールと沈黙を守るサウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)
(2008年11月7日掲載)

 ゴードン・ブラウン英首相は、2008年11月4日、GCC諸国が今月15日にワシントンで開催されるG20サミットで、国際金融危機の影響で経済困難に直面する諸国の救済を行うIMFへの追加資金の供与を発表するだろうと語った。ブラウン首相は11月1日からのサウジアラビア、カタール、アラブ首長国連邦(UAE)訪問で、2500億ドルとされるIMFの救済案に新たに資金を提供するよう呼びかけてきた。


 ブラウン首相は同日、ドバイで記者団に、「我々がワシントンに集まる時、何を貢献できるかを声明の形で発表する諸国を目にすることになろう」「今回の各国訪問では前向きの反応を得たが、資金について発表するのは自分の役目ではない」「それは各国と交渉するIMFの役割である」と語り、訪問した3カ国から資金提供を行うとの感触を得たことを明らかにした。ブラウン首相は各国訪問でアブドゥラ・ビン・アブドゥルアジズ・アル・サウドサウジ国王、シェイク・ハマド・ビン・ジャシム・ビン・ジャブル・アル・サーニ・カタール首相兼外相、シェイク・ムハンマド・ビン・ナヒヤーン・アル・ザーイド・アブダビ皇太子、シェイク・ムハンマド・ビン・ラシッド・アル・マクトゥームUAE副大統領・首相兼ドバイ首長らの要人と会談し資金協力を呼びかけていた。


 ブラウン首相に同行したピーター・マンデルソン卿ビジネス相も、BBCラジオで、「GCC諸国はビジネスに開放的だが、世界が国際金融危機から抜け出すのを支援するパートナーとなることに同意していた」「それは、彼らがIMFへの資金供与に貢献することを意味する」「しかし、それは同時に、彼らが、機構或いは新たなやり方を構築する上で必要となる意思決定過程のパートナーとして貢献するということでもある」「ブラウン首相は、今回の歴訪で5億英ポンド(約7.9億ドル)超の新たなビジネスを(英国企業に)確保した」と語り、ブラウン首相と同様、訪問した3カ国がIMFへの新たな資金供給には応じるものの、改革される新たな国際金融機構での発言権の確保も求めてきたことを示唆した。


 尚、ブラウン首相の各国滞在中、カタールのシェイク・ハマド・ビン・ジャシム・ビン・ジャブル・アル・サーニ・首相兼外相は金融危機に関連して国際社会に協力する意思を明確に表明したものの、サウジアラビアとUAEの政治指導者は訪問の成果についてはこれまでのところ何ら公表しておらず沈黙を保っている。

(11月5日、記)
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(幹事 畑中美樹<はたなか・よしき>)