![]() |
||
|
||
| (2008年3月21日掲載) |
||
シェイク・ムハンマド・イブン・ラシッド・アル・マクトゥームUAE副大統領・首相兼ドバイ首長は、2008年3月12日、政令を発出し別途定めのあるまでセメント及び鉄鋼の輸入関税を廃止し、全ての建設業者や不動産業者がこれら2品目を何ら制限無く輸入できるようにするよう指示した。今回の政令は、建設関連資材の価格の上場を抑制することを目的としている。 ドバイでは、セメント価格が過去8ヶ月間で少なくとも約40%上昇しているほか、鉄鋼価格も約25%上昇している。既に今月もさらに上昇するとの兆しが現れていた。こうした価格の急騰によりUAEの不動産市場はパニックに陥っており、またそれがその他の部門にも影響を与えている。今回の政令の発出は、価格急騰に苦しんでいた開発業者や建設業者には救いの神となりそうだ。 開発ラッシュに沸くGCC諸国でもドバイは建設ブームの真っ只中にあり、セメントと鉄鋼の価格が建設費用の約30%を占めるに至っていた。このため近年のこれら2品目の急騰で事業全体では数百万ドルの損失が生じたと見られていた。さらに余りの建設資材の高騰は、ドバイでの事業を再考する契機ともなっており、最近では中東のその他諸国での事業機会を求める動きも盛んになっていた。因みに、UAEへの主な投資者はサウジアラビア人、クウェイト人、イラン人と言われている。 専門企業であるRealty Research Professionalsによれば、UAEよりもサウジアラビアやクウェイトの方が割安市場とのことである。また世界最大の鉄鋼メーカーのアルセロ・ミッタルは2007年12月、中東・黒海周辺国・地中海地域・トルコ向けの一部製品の価格を2008年1月1日からトン当たり30ドル引き上げることを発表している。尚、セメント価格の上昇には、サウジアラビアでも開発ブームが起きていること、イラクでも復興需要があること、保険料・燃料費・船舶運賃も上がっていることも影響していると分析している。 |
||
| (3月19日、記) |
||
| <関連情報> ●インフレの進行で公務員給与の最高43%の引き上げを決めたオマーン【2/15】 ●主要中東諸国の2008年の経済見通し~名目GDP、実質GDP成長率、インフレ率ほか【1/22】 ●高インフレの続くGCC:2007年10月に5%強に達したサウジアラビアと同年平均で10%強の見込みのUAE【1/18】 ●インフレーションの克服が最大課題の2008年のGCC諸国の経済【1/9】 ●賃貸料の引き上げ率の上限を2%ポイント引き下げたドバイ政府【1/9】 |
||
| (幹事 畑中美樹<はたなか・よしき>) |