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| (2008年6月20日掲載) |
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2008年6月16日付けのロイター通信は、イラン国内で発売されている週刊誌を引用する形で、イランが新たな制裁により資金の引き出しが出来なくなることを防ぐために欧州の銀行から750億ドルを引き出したと伝えた。具体的には、イランのシャフルヴァンデ・エムルーズ(Sahrvand-e Emrouz)誌が「引き出しを阻止される恐れのあるイランの外貨資産750億ドルが、アハマディネジャド大統領の指示に基づき、イランに戻された」と報じたもの。 また、本件についてのモフセン・タライエ・イラン外務副大臣(経済担当)の「イランの欧州銀行の資産の一部が金や株式に転換され、残る部分はアジアの銀行に送られた」との発言も引用されている。尚、英国のデイリー・テレグラフ紙は先週(6月第二週)、イランの欧州にある資産がドバイの金融機関経由でテヘランに戻されつつあると報じていた。 このほか英国のブラウン首相は2008年6月16日、ブッシュ米大統領との会談後の記者会見で、英国がイラン最大の銀行であるメリ銀行の資産を凍結することを明らかにしている。さらに同首相は「今週末にブリュッセルで開催されるEU首脳会談で、イランに対する厳格な包括的制裁案に同意するよう要請する」と語り、国連制裁に従いウラン濃縮を停止せず、また新見返り案にも前向きの姿勢を見せないイランに対してEUとしても厳しく対処する意向を明らかにした。因みに、クリスチーナ・ガラシュ/ソラナEU共通外交・安全保障上級代表報道官は「EU外相は公式の行動を採る用意がある」とコメントしている。 加えて、匿名を条件にEUの外交筋は「イランによるソラナ提案(新見返り案)の拒絶は、今般ブリュッセルで開催されるEU首脳会議で確固とした行動を採る以外の選択の余地をなくした」「ソラナEU共通外交・安全保障上級代表の実りなきイラン訪問は、欧州が対イラン制裁を厳格化させる転換点となった」と述べ、イランが今般の新見返り案を真剣に検討する姿勢を見せないことがEUの対応の硬化につながったと解説している。 但し、イラン専門家は提案されている新制裁もイランにはそれほど有効とは言えないと見ている。例えば、ジャスティン・ローガン・ケイトー研究所外交政策研究部長は「イランはこうした事態を予期しており、対応策を準備していたであろう」「EUがさらに厳しい劇的な包括的制裁を導入しなければ失敗に終わるだろう」と述べ今回導入される制裁をイランは織り込み済みと分析している。 |
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| (6月17日、記) |
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| <関連情報> ●安保理5カ国と独が共同作成した核開発に関する「新見返り案」で駆け引きを続けるイラン【6/17】 ●ここに来て再び高まりつつあるイラン核開発の軍事解決オプション【6/10】 ●三島の帰属問題でロシアに調停を依頼したアラブ首長国連邦(UAE)とこれを拒否したイラン【6/3】 ●IAEAの厳しい報告書が提出されるなか国会議長に選出されたイランのラリジャニ前最高安全保障会議事務局長【6/3】 |