不法移民対策の協議でリビアを訪問したイタリアのベルルスコーニ首相

(2008年7月1日掲載)

 イタリアのベルルスコーニ首相が2008年6月28日、不法移民対策を協議するためリビアを訪問しカダフィ大佐と会談した。ベルルスコーニ首相の今回のリビア入りは、本年4月、3度目の首相就任以降では初の外国訪問となった。イタリアではアフリカ大陸からの不法移民の流入が大きな政治問題となっている。


 カダフィ大佐の滞在するトリポリ東方約600kmのシルテ入りしたベルルスコーニ首相は、2時間という極めて短い滞在中にアフリカ大陸からイタリアへの不法移民問題の対応策を協議した。会談では2007年12月に合意してはいるものの実施されていない不法移民防止に向けた協定が中心議題となった。同協定はリビア政府の要員も同乗するイタリア海軍の艦船がリビア沖を警戒航行するというものである。


 合意されながら実施されていないのは、仮に航行が始まり不法移民のイタリアや欧州への流出が止まれば、結局国内の不法滞在者のみが増加しかねないことをリビア政府が懸念するからである。このためカダフィ・ベルルスコーニ会談ではアフリカ諸国からリビアへの不法流入を如何に防止するかも併せて協議され、砂漠横断者を監視するレーダーや衛星システムの設置にイタリア側が資金を提供する案が検討された。またリビア国内に不法流入者の収容センターを建設することも協議された。


 イタリアのロベルト・マローニ内務相はベルルスコーニ首相のリビア入りに先立つ2008年6月24日、「ベルルスコーニ首相のリビア訪問は2007年12月に合意済みのリビア沿岸共同パトロールの実現にある」と述べていた。因みに、イタリア内務省は2007年の1年間で1万6482人が不法に入国しているが、その大半はリビア経由であったと推測している。


 以上のほか、イタリアがリビアを植民地化していた時代の補償として、2004年にベルルスコーニ首相(当時)がリビアを訪問した際に資金供与を約束したエジプト~リビア~チュニジアを結ぶ総額30億ユーロ(46.5億ドル)の高速道路の建設も今回の首脳会談では話題に上った。

(6月30日、記)
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(幹事 畑中美樹<はたなか・よしき>)