2008年末には2兆ドルと見込まれるGCC諸国の在外資産残高(純計)

(2008年1月29日掲載)

 ワシントンの国際金融機構(IIF)は、GCC諸国の2008年末の在外資産残高(純計)が2兆ドルと2007年末の1兆8000億ドルに比べて11%増加すると予測している。またIIFはGCC諸国の2008年の経済成長率が8.0%と2007年の5.2%を大きく上回るとも見ている。


 IIFは2008年のGCC諸国の経済について、以上のほか次のように予測している。

高水準の原油価格によってGCC諸国の経済はブーム状態を維持するものの、ドル安によってインフレ傾向が加速すると共に対ドル・レートの変更を求める圧力も高まろう。

原油価格が高水準を維持するのでGCC諸国の政府は資本支出や外国投資の拡大を維持し続けよう。

高水準の油価によってGCC諸国の外貨準備高やソブリン・ウェルス・ファンド(SWF)の保有額が増加を続けるので、これらが国際金融市場で果たす役割が増そう。

米国経済の減速はGCCには影響を与えないものの他地域に影響を与えるので、2008年下半期には原油価格の低下があるかもしれない。その場合、石油収入は最近のピークから減少しよう。

起こりうる世界経済の減速化のGCC諸国への影響も、GCC諸国で進みつつある多数の巨額なインフラ事業により打ち消されよう。

これらの巨額なインフラ事業は石油・ガス生産増の推進力となっているし、不動産・貿易・金融・観光といった部門を今後数年に亘り振興する推進力ともなっている。

GCC諸国は過去のブーム期では国債、それも米国債に巨額の投資を行った。政府債から株式、最近ではプライベート・イクイティ・ファンドへの資金の移動は確かに見られる。

しかし、ドル資産からその他資産への多角化の動きはあるものの大きなものではない。将来的にもそのような多角化は起きようが、GCCの中央銀行やSWFは保守的なので急激な変更は起こさないであろう。

(1月25日、記)
<関連情報>

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(幹事 畑中美樹<はたなか・よしき>)