全省庁及び地方政府に不急不要の費用の削減を要請したイラクのバヤン・ジャベル財政相
(2008年12月16日掲載)

 イラクのバヤン・ジャベル財政相は、2008年12月11日、2009年の各省庁に原油価格の下落の影響を緩和するために歳出の削減を求めると共に、2009年初に同年予算を削減するとの考えを明らかにした。バヤン・ジャベル財政相は同日、声明を発表し、「財政省は2009年初に同年予算を再考し、歳入不足対策として必要であれば緊縮政策を発動する」と述べ、2009年度の当初予算を見直す意向を表明した。


 イラク政府は2008年11月11日、声明を発表し、同国の内閣が、歳出規模670億ドルと前年比19%増の2009年予算を承認したことを明らかにしていた。因みに、歳出の内訳は525億ドルが経常支出で残る145億ドルが復興資金とされた。イラク政府は、当初、原油価格が1バレル当たり80ドルとの前提の下、歳出規模790億ドルの2009年予算を編成した。しかし、その後の原油価格の低下を見て、前提油価を62.5ドルに引き下げて歳出規模670億ドルの2009年予算を再編成した経緯を有している。


 バヤン・ジャベル財政相は声明の中で、「イラク財政省は原油価格の動向を注意深く観察しており、2009年に入ったところで予算を修正する対策を検討のうえ、不必要な歳出は削減する」「財政省としては全省庁及び地方政府に復興事業の推進と同時に、歳出の削減及び不急不要の費用の削減をお願いしたい」(AP通信 2008年12月12日)と述べ、関係各位に原油価格の下落に合わせて削減できる部分から歳出を削減することを改めてお願いしている。こうした削減の電力、エネルギー、水利などのインフラ再建・復興事業への影響が懸念される。因みに、バヤン・ジャベル財政相は2008年初、2009年度予算では経済復興向けに150億ドルが配分されると言明していた。


 周知のように、米議会は2009年8月まで、巨額の石油収入があるのに外国政府に資金援助を要請するのはおかしいとブッシュ政権を批判していた。それを思えば、イラクの2009年度予算の再度の下方修正の動きは、それだけ原油価格の急落が中東産油国に影響を与えている証左といえよう。上述したようにイラクは2009年度予算を1バレル62.5ドルを前提に編成したが、ここに来て2009年度予算の作成を明らかにしはじめたその他の産油国を見ると、総じて40ドル台を前提としているようだ。

(12月13日、記)
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(幹事 畑中美樹<はたなか・よしき>)