厳しい旱魃による収穫量の急減によってサフラン価格の高騰に見舞われているイラン
(2008年12月5日掲載)

 厳しい旱魃により国際市場を支配してきたイランのサフランの収穫量が急減している。その結果、元々、世界でも高価な香辛料といわれるサフランの価格が高騰している。イラン貿易促進機構(the Iran Trade Promotion Organization、ITPO)のメフディ・ガザンファリ長官は今般、1年前には1kg当たり2000ドルから2200ドルであったサフランの価格が現在では3000ドルもすることを明らかにした。


 商業副大臣も兼務するフディ・ガザンファリITPO長官は「イランの2008年のサフランの生産量は100トン以下と、過去10年では最高のシーズンであった3年(2005年)前の生産量235トンの半分以下に落ち込む」「不幸なことにサフランの生産量は減少した」「一部の推計では2008年の生産量は80トンにしかならない(エミレーツ・ビジネス24/7紙 2008年12月1日)と語り、旱魃による不作を嘆いた。イラン政府によれば、同国は世界のサフランの90%以上を供給してきた。


 イラン国内の輸出業者であるノヴィン・サフラン社のアリ・シャリアティ・-モガッダム常務取締役は、同長官の発言を確認するように、「昨冬が厳寒であったことで生産量が落ちた」「イランの一部の地域ではまだ収穫が終わっていないものの、生産量は地域により10%から90%も減少している」「イランは世界の40カ国以上にサフランを輸出してきた」(同上)と述べている。因みに、イランのサフラン栽培は3000年の歴史を誇るが、近年の輸出額は年間2億ドルから3億ドルで、直接・間接を含めて10万人を雇用している。


 最近、イラン・ニューズ・デイリー紙は、「サフランを救え」との社説を掲載し、「赤い金(ゴールド)」の2008年の生産量が40%も低下したので価格が2倍以上になったと報じていた。さらに、同社説は「異なる内容の報道がなされたのでサフランの世界市場への輸出が停止した」「一部の政府高官が、高価格によって生産量が減少したに過ぎないと説明し、サフラン輸出が止まったとの噂を否定した」と続け、イラン国内で混乱が生じていたことを示唆した。


 尚、フディ・ガザンファリITPO長官は「我が国のサフランは味が良いだけでなく、人々の健康にも良い」「長期的には生産量・輸出量共に回復するし、サフランは医療用にも使えるので新しい市場を開拓も出来る」(同上)と楽観論を述べていた。

(12月2日、記)
<関連情報>

在テヘラン・米国利益代表の設置をオバマ次期政権に委ねることを明らかにしたライス米国務長官【12/5】

イラン経済の悪化の兆候を好機と捉え譲歩の引き出しを目指して再度圧力を高めつつある米国と欧州連合(EU)【11/28】

イラン中央銀行高官の話として円滑な経済運営に必要な原油価格は60ドルと報じた国内メディア【11/7】

イランとの「米と石油のバーター取引」を協議のためテヘランに交渉団を派遣するタイ商業省【10/31】

自国銀行がイラン企業との取引縮小など圧力を高めるなか両国合同委員会の設立覚書(MOU)に調印したアラブ首長国連邦(UAE)【10/31】

(幹事 畑中美樹<はたなか・よしき>)