米国・イラク地位協定の議会承認を批判するかのように連続爆弾テロが発生したイラク
(2008年12月2日掲載)

 イラク国民議会(定数275人)は2008年11月27日、10日間に亘る激論を経て米国・イラク地位協定をようやく承認した。しかし、イラクでは12月1日、この議会承認を批判するかのように連続爆弾テロが発生した。二日前の11月29日には米軍管理地域(グリーンゾーン)に迫撃砲が打ち込まれる事件が発生したほか、11月23日にも首都バグダッドで連続爆弾事件が発生している。


 一方、その間の2008年11月26日には、宗教指導者や肉親等の説得に応じたイラク人女性18人が投降し、米軍に対するテロを行わないとの誓約書を提出する動きも見られた。イラクの治安は全体としてみれば鎮静化傾向にあり、2008年11月の米軍の死者数は7人と、2003年3月のイラク戦争の開始以降、月間死者数が最小であった2008年10月と同じであった。また、ロイター通信の調べによれば、2008年11月のイラク民間人の死傷者数は、10月に比べて58人増加したものの296人と依然低水準を維持した。


      表 イラクにおける最近の爆弾事件

月 日 場   所 事 件 概 要
11月23日 バグダッド市中心部米軍管理地域(グリーンゾーン)近くの検問所 グリーンゾーンに入る関係者の行列に一緒に並んでいた女性による自爆テロで、5人が死亡し12人が負傷した。
バグダッド市東部 路肩爆弾がミニ・バスを直撃し、貿易省から東部バグダッドに向かっていた職員ら13人が死亡し、7人が負傷した。
バグダッド市東部 巡視中の警官等を狙った路上爆弾で、1人が死亡し、5人が負傷した。
11月29日 バグダッド市中心部米軍管理地域(グリーンゾーン) 迫撃砲が撃ち込まれ、国連関連職員2人が死亡した。
12月01日 バグダッド中心部 警察学校前で連続テロが発生し、16人が死亡し、46人が負傷した。警察学校の入り口で男性が自爆した上で、救助の人々が集まったところ近くに駐車してあった車両が爆発したもの。
イラク北部のモスル 合同巡視中の駐留米軍とイラク治安部隊の車列近くで車両自爆テロが発生し、15人が死亡し、30人が負傷した。
バグダッド北部 国防省高官を狙った爆弾テロが発生し、3人が死亡した(1人は運転手)。高官は重傷を負った。
出所:各種報道を取りまとめたもの。

(12月2日、記)
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(幹事 畑中美樹<はたなか・よしき>)