イランの油田開発の入札と契約方式
(2008年8月29日掲載)

 対イラン経済制裁のため油田・ガス田の開発が益々遅れている中で、イランは新たな鉱区開発の入札準備に向けて動き出したようだ。国営石油会社(NIOC)の
Seifollah Jashnsaz総裁は今後の見通しについて次のように語っている。


15以上の石油・ガス鉱区の開発について新たな入札を行う準備を進めている。
次回の入札では外国石油会社の投資を誘致するために新方式による契約が適用される。(但し、従来のBuy-Backの改訂版であるのかPSAになるのかは明らかにされていない)。しかるべき時期には国際金融市場にも提示する。
15以上の鉱区のうち10鉱区は2008年財政年度中(2009年3月20日まで)に応札される見込み。


 今この時期に入札を実施するとの強気発言の背景には、この4ヶ月間に30億㌭の油田発見があったことも関係しているようだ。以下はその油田。

油  田 埋蔵量(億㌭)
Jofeir 13
Balarud (原油)
    (ガス)
 5
    15億立方㌳
Eastern Assaluyeh   5.2
Arvand n.a.


 他方、イランが進めようとしているカスピ海の海底油田開発の問題で、NIOCのGhanimiFard投資担当副理事は「議会や当局が承認すればPSAで行われる」と語る。7月、石油省の人事異動でNIOC国際問題担当執行理事で原油販売部門の責任者、懸案のIPI(イラン~パキスタン~インド)パイプライン計画の交渉責任者、石油省のスポークスマンという幾つかの顔を持ったGhanimiFardが更迭された。しかし、この時点の同氏の発言には重みがある。更迭されたとはいえ、やはり存在感はあるようだ。カスピ海海底油田開発に関する主要発言は次の通り。


南カスピ海の海底油田開発でインドのONGC Videsh Ltd.と中国のCNOOCの
両社とPSA契約方式による協議をしている。
南カスピ海地域の開発はBuy-Back方式適用の例外案件だ。議会と当局が承認すればPSAで行われる。
深海開発の場合、1㌭あたりの生産コストはイラン南部やアラビア(ペルシャ)湾の開発と比べて、はるかに高い。
イランはSouth Parsガス田の全鉱区の開発を進めてきているが、建設コストの高騰や開発の遅れにより外国石油会社の投資意欲を挫いてきた。
建設資材の価格高騰が遅れの大きな一因で、一部の国による金融制裁のせいだというのは正しくない。

以上

(幹事 中嶋 猪久生<なかじま・いくお> )