イランの核開発を巡る最近の動き(8月12日~8月17日)

(2008年8月22日掲載)

 ジュネーブで開催された欧州連合(EU)とイランとの協議から1ヶ月が経過した。8月に入ってからのイランの対応を見ていると、残すところ5ヶ月強となったブッシュ政権の足元を見透かすように、再度強硬職を滲ます言動が多くなっている。外交解決に重点を移した米国が少なくとも現時点ではイスラエルの対イラン軍事行動を認めておらず、また国連安保理5カ国にドイツを加えた6カ国の足並みが必ずしも揃っていないことがやや姿勢を硬化した背景として指摘できよう。以下では、8月12日から17日の動きについて日を追って振り返ることとしたい。


<8月12日>
米財務省が、核兵器及びミサイルの開発・拡散に関与しているとしてイランの五つの政府系機関及び企業(カラジュ農業・医療核研究センター、イスファハン核燃料研究・生産センター、ジャッベル・ビン・ハヤン、安全設備調達社、ジョザ産業社)を新たに金融制裁の対象に加えた。

イランのハメネイ最高指導者が来訪中のブーテフリカ・アルジェリア大統領との会談で「国民及び政府の抵抗や権利の要求は実を結ぶ」「イラン国家・政府は、圧倒的な勢力による圧力、制裁、脅しにも関わらずあらゆる進歩を遂げた」と語った。

イランのハッサン・カシュガヴィ外務省報道官が「イラン政府高官の間にはイスラエルは違法な国家ではないとの認識がある」と語った。


<8月13日>

イスラエルのハーレツ紙が、「イスラエルによるイランの原子力施設への攻撃計画への協力を米国が拒否していた」と報道した。

イスラエルのバラク国防相が「米国は現在のところ対イラン軍事攻撃を正しい行動とは見ていない」と語った。


<8月14日>

トルコを訪問中のアハマディネジャド大統領が、ギュル大統領との共同声明の中で、エネルギー協力の拡大に向けた協議を続けていることを明らかにした。


<8月15日>

イランが国連安保理に送付した書簡で、「国連安保理が制裁対象としたバンク・メリとバンク・サデラートは如何なる不法な活動にも関わっていない」と反論した。

米国のシンクタンク「科学・国際安全研究所」が「イランのガス遠心分離計画を軍事攻撃は破壊できるか」との題名の報告書を発表し、「イラン核開発の阻止には単発の空爆では効果がなく、連続的・多重的空爆が必要である」と指摘した。

駐イラク・米軍がイラク政府に、「イラクのシーア派武装勢力が、イランで暗殺部隊として訓練されているとの情報を提供した」ことを明らかにした。


<8月16日>

エジプトのムバーラク大統領がアレクサンドリアでのアブドゥラ・サウジ国王との会談後、「イランは西側諸国に軍事攻撃の口実を与えるべきではない」と警告した。


<8月17日>

イラン航空宇宙機構のタギザデ長官が国営テレビで、「人工衛星を搭載したロケット『サフィール(使者)』が本日発射された」「我々は初めて模擬衛星を軌道に載せることに成功した」と語った。


<8月18日>

IAEAのオリ・ハイノネン事務次長が二日間の日程でテヘラン入りした。同氏のイラン訪問は8月に入って2回目となる。

(8月18日、記)
<関連情報>

イランの核開発を巡る最近の動き(8月2日~8月11日)【8/19】

ジュネーブ協議後、落とし所を見極めるべく硬軟両様のシグナルを発するイラン【8/1】

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(幹事 畑中美樹<はたなか・よしき>)