中東諸国の経済では引き続きインフレーションが最大の懸念材料と見る国際通貨基金(IMF)
(2008年4月30日掲載)

 中東諸国でインフレ圧力が益々高まっている。実際、国際通貨基金(IMF)が2008年4月に発表した最新の「世界経済見通し」(World Economic Outlook)は「国内需要の拡大や食料価格の急騰、住宅不足に起因する家賃の上昇などから中東諸国におけるインフレ圧力がここの数ヶ月急激に高まっている」と述べ、インフレーションが最大の懸念材料と診断している。消費者物価指数(CPI)で見た2007年のインフレ率(年平均)は、イラン17.5%、UAE11.0%、エジプト11.0%と二桁を記録しているし、一時はマイナスであったサウジアラビアも4.1%となっている(表1)。こうした結果、2007年の中東全体のインフレ率は10.4%と2006年の7.0%から3.4ポイントも上がっている。


      表1 中東主要国のインフレ率
                        (単位:%)
2006 2007 2008 2009
中  東 7.0 10.4 11.5 10.0
石油輸出国 7.6 10.5 12.2 10.4
 イラン 11.9 17.5 20.7 17.4
 サウジ 2.3 4.1 6.2 5.6
 UAE 9.3 11.0 9.0 5.3
 クウェイト 3.1 5.0 6.5 5.5
東アラブ諸国 5.4 9.5 8.4 8.2
 エジプト 4.2 11.0 8.8 8.8
 シリア 10.6 7.0 7.0 7.0
 ヨルダン 6.3 5.4 10.9 6.5
 レバノン 5.6 4.1 5.5 5.3
出所:国際通貨基金(IMF)、「世界経済見通し」(World Economic Outlook)
   2008年4月。
 注:2008年、2009年は予測。


 IMFは中東諸国のインフレ圧力は、2009年になれば、カタールやUAEでの新規住宅の完成による家賃の低下やUAE、オマーンが導入した家賃引き上げ率上限の導入、サウジアラビアで開始された商品等への補助金の付与等が奏功するので、和らぎ始めると予測している。

(4月25日、記)
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(幹事 畑中美樹<はたなか・よしき>)