核兵器開発の研究疑惑問題の解明に向け国際原子力機関(IAEA)と合意したイラン
(2008年4月28日掲載)

 国際原子力機関(IAEA)のムハンマド・エルバラダイ事務局長は2008年4月23日、イランが核爆弾の設計方法を研究していたとの諜報筋の情報に回答することに同意したことを明らかにした。因みに、エルバラダイ事務局長は「この合意は一里塚を成すものであり、2008年5月末までにイランから説明を受け言われている研究について解明しうる状態となりことを望みたい」「自分の考えでは、これは一歩前進である」とサラエボへ向かう途次記者団に語った。


 IAEAのフレミング報道官の説明によれば、今回の合意は、オルリ・ハイノネン事務次長(査察担当)とイラン指導層との4月21日、22日の会談で決まった。西側諸国の外交筋は「オリ・ハイノネン事務次長(査察担当)のイラン訪問のポイントは、諜報筋のもたらした情報にイラン側が答えるよう促すことであった」と所期の目的が達成されたことに満足した様子で語った。


 またIAEA担当の欧州の外交官は「何れにせよイラン側のIAEAへの回答は既に大幅に期限から遅れている」「我々としては、今度こそイランがこの機会を真摯に受け止め、さらに遅延させることなく重要な質問に真剣に答え、国連安保理の要請に応え、ウラン濃縮関連活動を停止し交渉が可能となるようにすると共に、この問題の長期的解決に達することを期待する」と述べ、今度こそイランが真剣に疑問点に答えるよう促している。


 周知のように、IAEA理事会は2008年3月5日、イランに対して安保理決議の履行を同国に求める各国の意見を入れた議長総括を採択している。同日採択された議長総括では、兵器化計画等の依然残された疑問点について、イランがいっそう積極的にIAEAに協力して情報を提供することを要請する意見も添えられたIAEAのオリ・ハイノネン事務次長(査察担当)は2008年2月25日、加盟各国から提供されたイランの核開発活動に関する説明会を開催したが、その中で、プルトニウム型原子爆弾の構造を示す模型や製造工程の説明書の表紙の写真等を含む約3分間の映像資料を見せている。


 因みに、エルバラダイIAEA事務局長は、2008年3月3日、「新たに公開された情報は、イランが秘かに核兵器の製造法に達していることを示しており、『重大な懸念』が生まれたので、この点について追及して行きたい」と理事会で語っていた。他方、イランのアリ・ソリタニエIAEA大使は「諜報データは偽者であり偽造されたものである」と述べ、こうした疑念を作り事と述べ否定していた。

(4月25日、記)
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(幹事 畑中美樹<はたなか・よしき>)