核開発問題でのイランに対する米国の助言要請を拒否したインド

(2008年4月25日掲載)

 インド政府は、イランに対してウラン濃縮を停止し国際社会の意思に従うべきことを伝えて欲しいとの米国から呼びかけについて拒否する姿勢を明らかにした。因みに、イランのアハマディネジャド大統領が来週、インドを訪問する予定となっている。


 本件についてインド外務省は「インドもイランも両国関係を如何に進展させるかに関する外部からの指示を必要としていない」とした上で、「両国関係は数世紀に亘るものであり、自分たちだけで処理できる」と述べ、米国の呼びかけを一蹴した。米政府高官は「米国としてはインドがイランのアハマディネジャド大統領に核開発計画を停止するよう働きかけるのを歓迎する」としていた。


 イラン外務省のナヴテジュ・サルナ報道官は「インドとイランは共に古代文明を持つ国家であり、両国関係は数世紀に及ぶものである」「両国は両国関係の全分野について適切な注意を払いつつ完璧に処理することが可能である」「どちらの国家も両国関係の将来について、関与と対話だけで平和を達成しうると考えているので如何なる指示も必要としていない」と述べ外部の干渉は受けないことを明言した。


 トム・ケーシー米国務省報道官は先に「インド政府がアハマディネジャド・イラン大統領に国連安保理と国際社会が課した要請、例えばウラン濃縮の停止や核開発計画関連で出されているその他事項に応えるよう呼びかけてもらえれば幸いである」と述べていた。イランは過去にインドの批判に厳しく対応したことがあった。


 2005年9月、インドが国際原子力機関(IAEA)においてイラン核開発問題を国連に委ねるか否かの投票時に委ねるべきと投票し、イランの強い反発を招いたとの苦い経験を有している。インドはイランとイランから天然ガスを輸入する総額70億ドルのパイプライン敷設計画を協議している。このためIAEAでの当時のインド政府の対応は、インド国内でも野党のみならず同盟を組んでいた共産党からも西側従属姿勢であるとして厳しく非難された経緯を有している。

(4月24日、記)
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(幹事 畑中美樹<はたなか・よしき>)