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| (2008年4月25日掲載) |
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2008年4月22日、「第三回イラク安定化外相級会議」がクウェイトで開催された。同会議に出席する前にライス米国務長官は前々日の4月20日、突然バグダッドを訪問し、マリキ首相らと治安情勢を協議し、翌21日にはGCC諸国に加えてエジプト、ヨルダンも出席したクウェイトで開催の会合で「第三回イラク安定化外相級会議」に向けた地ならしを行っている。尚、ライス米国務長官がバグダッド入りする前日の4月19日には、タイミングを合わせたかのようにシーア派反米強硬派のムクタダ・サドル師が強硬な声明を発表している。 <全面戦争を布告したイラク・シーア派のサドル師> イラク・のシーア派反米強硬派のムクタダ・サドル師が、2008年4月19日、マリキ政権に向けイラク政権への最後の通告という形で、同師の率いる民兵組織「マハディ軍」に対するイラク政府軍の攻撃を中止しない場合、解放を目指した戦争を始めるとの内容の声明を発出した。 シーア派の聖地であるナジャフで出されたこの日の声明は、併せて、「占領者(=米国)と同盟を組むイラク政府は独立も主権も喪失している」と述べマリキ政権を批判した上で、「イラク政府の治安部隊の中核はイラク・イスラム最高評議会(SIIC)の民兵組織バドル軍団によって構成されている」として同じシーア派のライバルであるSIICも非難している。尚、マリキ首相は4月20日、国内政党が結束しなければイラクがソマリア型の内戦に陥る可能性があると指摘し、政府に抵抗する武装勢力に一致団結して当たるよう呼びかけている。 <突然バグダッドを訪問したライス米国務長官> ライス米国務長官は2008年4月20日、予告なしでイラクの首都バグダッド入りし、マリキ首相、タラバーニ大統領らと昼食をはさみながら治安情勢などについて協議した。ライス長官はマリキ首相が行っている治安回復の努力を称えた上で、「イラクには各派の和解を促進するためにやって来た」「自分はマハディ軍との戦いを支援したイラクの新たな政治センターを支援した」「イラク政府によるマハディ軍との戦いに向けた決意及び、政治的統一に向け目に見える進展を遂げたことを称えたい」と述べ、最近のマリキ政権による武装勢力に対する断固とした対応を称賛した。 サドル師について質問されたライス長官は「彼は今でもイランにいる」「自分はイラク政府と同師との全面戦争と考えている」「同師は支持者を死に追いやりながら自分はイランにいる」と述べ、同師を厳しい調子で非難した。またライス国務長官と共に記者会見に現れたライアン・クロッカー駐イラク・米大使は「同じシーア派でもイラク・イスラム最高評議会(SIIC)の民兵組織バドル軍団は、軍事活動を止め政治プロセスに加わった」「それこそが今、サドル派の正面にある選択肢だ」と語り、政治活動を選択したイラク・イスラム最高評議会(SIIC)の民兵組織バドル軍団と軍事行動に固執するサドル派の民兵組織マハディ軍とには大きな違いがあることを強調した。 <アラブ諸国にイラク大使館の開設を求めた「6+2+1」会議> 2008年4月21日にバハレーンの首都マナマで開かれた「6+2+1」会議は、米国及びイラクが出席した近隣アラブ諸国に早急にバグダッドに各国大使館を開設するよう求める会議となった。同会議に出席したイラクを除くアラブ8カ国(GCC=サウジアラビア、バハレーン、クウェイト、UAE、カタール、オマーンの6カ国及びエジプト、ヨルダン)との協議を終えたライス国務長官は「会議では、イラクでの大使館の開設問題とイラク債務の帳消し問題が話し合われた」「自分は、現在はこれらの実現に向けた過程と理解している」「何カ国は恒久的な外交施設の開設について話していた」「債務帳消しの条件は既に分かっているので、後は如何に交渉で決着をつけるかだ」と語り、両問題について具体的な進展はなかったことを示唆した。 尚、ライス国務長官とサウジアラビア、バハレーン、クウェイト、UAE、カタール、オマーン、エジプト、ヨルダンのアラブ8カ国は、次回会合からイラクも参加国とすることで合意した。因みに、「6+2+1」会議は、2007年以降、4回開催されてきた。 主催国バハレーンのシェイク・ハーリッド・ビン・アフマド・アル・ハリーファ外相は「イラクも参加国とすべきというのが各国の意見である」「地域問題にイラクを再び参加させる良い機会と思う」「我が国は大使の選定を行っているところである」「本件でイラク政府と協議している」と語り、大使館開設に前向きに取り組んでいる姿勢をアピールしている。 <大使館開設等を訴えた「第三回イラク安定化外相級会議」> イラク近隣諸国に日米欧等を加えた「第三回イラク安定化外相級会議」が、2008年4月22日、クウェイトで開催された。因みに、第1回会合は2007年エジプトで、第2回会合は同年11月トルコで開催された。開会演説を行ったマリキ首相は「今日のイラクは近隣諸国を攻撃した以前のイラクとは異なる」「イラクは地域の安保と安定の強化に向け建設的役割を果たす意向であるので、近隣諸国はバグダッドに大使館を開設して欲しい」「治安状況に関わりなくその他諸国が外交団をそのまま置いているのに、近隣アラブ諸国がイラクとの外交関係を再開しないのか理由が分からない」「またイラクは近隣アラブ諸国による対イラク債権(イラクから見れば債務)の放棄の実現を待っている」と語り、近隣アラブ諸国による対イラク積極策に期待を表明した。 ライス米国務長官は「イラクは近隣アラブ諸国の同胞として再統合化されようとしている」「何カ国かはバグダッドに外交施設を置くと言う前向きな動きを進めている」「我々は推進力の上に作り上げることが重要である」「イラクの近隣諸国に対してイラクとの関係を強化するよう求めたい」と語り積極的に外交関係を築くよう促した。 尚、イラクの対外債務1202億ドルのうちの約665億ドルは放棄されている。依然残っている推定560~800億ドルの対外債務のうちの二分の一以上はGCC諸国のものである。因みに、イラクのアリ・アル・ダッバーグ報道官は「サバーハ・アル・アフマド・アル・サバーハ・クウェイト首長がイラクの賠償金の削減問題を調査する委員会の設立で合意した」と述べ、一部の国とは交渉が進んでいることを明らかにした。 |
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| (4月24日、記) |
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| <関連情報> ●油田開発入札参加可能企業リスト(35社)を発表したイラク石油省【4/18】 ●治安状態が依然脆弱なことからイラク駐留米軍の7月以降の追加撤退の見送りを決定したブッシュ大統領【4/15】 ●シーア派のサドル派民兵組織マフディ軍と治安部隊の衝突が再燃したイラク【3/28】 ●原油生産量の増加に向けいよいよ油田探査・開発に動き出したイラク【3/25】 ●2008年に入り再び活発化し始めた武装勢力によるイラクでの爆弾事件【3/21】 |
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| (幹事 畑中美樹<はたなか・よしき>) |